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2017/10
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未公開株勧誘とベンチャーファンド
表題の2つのテーマは、直接的な関係はない。しかし、それぞれの問題が持つ基本的な構造で、共通していることがある。当然の事であろうが、それは両方とも未公開企業へ投資し、その企業がIPOを目指しているということだ。ここでハッキリさせておかなければいけない事は、あくまで、IPOを目指しているのであって、予定しているのではない。IPOが予定されているような企業の株式は、普通の投資家は原則入手できないし、仮に入手したとしてもルールにより上場後一定期間が経過するまで売却できない。

しかし、未公開株勧誘による投資家の被害は増加しているという。日本証券業協会の証券相談・あっせんセンターに寄せられた相談件数は、昨年4月から12月までのあいだに1,123件と前年比1.9倍になっている。
手口は、
・複数の業者が登場する「劇場型」
・消費者を安心させる「公的機関装い型」
・謝礼や高値買取を約束する「代理購入型」
・被害回復をうたって未公開株を購入させる「被害回復型」
などがあるようだが、未公開株の勧誘を行う仲介業者は、金融商品取引業者として登録しているかどうチャックすることも可能なので、最近は発行会社の自己募集という形をとるケースも増加しているようだ。
公開予定企業の自己募集そのものは、グーグルの株式公開時に行われたケースがあるが、日本の株式公開では使われた事例は、未だ無い。(グルーンシート市場での公開公募で行われる“拡大縁故募集”が、実質的に発行会社の自己募集に近い)

 一方、未公開企業への投資を行うベンチャーファンドの動向について、(財)ベンチャーエンタープライズセンターより2009年版報告書が公表されている。それによると、ベンチャー投資が余り拡大しておらず、逆に既に投資した分のEXIT(投資回収)に苦しんでいる姿が浮き彫りになっている。報告書のポイントは、以下。
・IPOが19社と、1978年来の低水準で、本年IPOも20~40社程度に留まるとの見通し
・ベンチャーキャピタル(ファンド)の2008年度(2009年3月末)の投融資残高は、9,494億円で前年比7.6%減。米国では、国内ベンチャー企業へ投資するベンチャーキャピタルの投融資残高は20兆円程度あり、欧米に比べてベンチャー投資が低水準なっている日本の状況は、変わらない。
・2008年度(2009年3月まで)の年間投融資も、1,366億円と前年比29%減。2009年度は、1000億円を切る公算が大きいと報道されている。
・EXITでの株式公開の割合が、前年までの3~4割程度から1割を切っていて、償却・清算等が3割まで増加している。

 以上の2つのことは、直接は関係ない。又、資本市場に関する個人の興味を逆手に取ったような詐欺行為は許されない。しかし、国民の中に、未公開企業の成長力に対する何らかの期待があるなら、それを投資行動へ結びつける努力をするのは、業界の責任ではないだろうか。ただし、ベンチャー企業への投資はプロでも難しい。投資企業数の1~2割と言われる株式公開は、ベンチャー投資の成功の対価だろうが、同程度の破綻企業があるのも現実である。一般の個人投資家は、多くのベンチャー企業に分散投資しているベンチャーファンドを通じて投資を行うのが常道にも思う。ベンチャー投資へのリスクを負う個人投資家へのエンジェル税制も拡大してきているが、個人向けベンチャーファンドの充実や優遇税制の周知など、業界で取り組むべき事は多い。

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