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2017/08
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みんなが取引所に求めるもの=その2
取引所は、取引業者が集まって取引する場なのだから、やはりみんなの中では取引業者は主役になる。但し
株式の取引で始まった取引所も、債券・先物・オフション・投信と上場させて取引する金融商品の範囲も広がっているので、取引者の範囲は、当初の証券会社(現在の第一種金融商品取引業)から銀行(登録金融機関)まで拡がっている。当初は、証券会社の共同出資の形で始まった取引所だが、この出資金は取引に参加するための会員権と姿を変え、バブル期には東証会員権は、10億円を超えると言われていた。会員権=取引参加資格の時代の話だったが、会員制組織の取引所の株式会社化により、会員権は株式(つまり取引所資産の持分)へ変更され、取引資格も会員権から分離され、東証の場合以下の様になっている。

・総合取引資格:取引所に上場する全ての金融商品を取り扱えるが、当然証券会社のみで、外形基準として資本金3億円純資産10億円以上等がある。取引を始めるにあたり、入会金として1億500万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。
・国債先物等取引資格:証券会社以外に銀行や保険会社も参加可能。外形基準は、総合取引資格と同様だが、入会金として3150万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。
・指数先物等取引資格:指数先物取引及び株価指数オプション取引が対象で、証券会社だけの参加。外形基準は同様。入会金として1050万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。
・有価証券オプション取引資格:証券会社のみとなり、外形基準は同様、入会金として1050万円、別途審査料やシステム利用の為のコストがかかる。

この他に、海外取引業者が取引所取引に直接アクセス可能なる制度として、東証は昨年2月から“リモート取引参加者制度”大証は昨年6月から“国外取引参加者制度”といったリモートメンバーシップ制度を始めている。
海外取引業者の初期費用を10分の1程度に抑えて、取引需要を海外から直接取り込もうという試みだが、現在のところ制度参加者はいない。
 以下、取引業者の主な要望と最近の状況を見てみる。

【効率的な取引システム】
 東証の取引システムは、先物・オプションが昨年10月、株式等がこの1月から新システムに切り替わって、注文処理速度等の能力が向上している。ミリ秒単位の注文処理も可能となり、海外投資家などのアルゴリズム取引誘導が期待されている。東証新システム(株式)の稼働状況は、28日以下の内容が公表されている。
・全銘柄平均TICK回数(値段がついた回数)
新システム稼働前の12月後半は200回程度だったが、新システム稼働後は倍増して400回程度に上昇している。
・売買代金は増加傾向にあり、今のところ堅調に推移している。
・新システム稼働後の注文件数は、7~800万件に増加しているが、約定率は40%弱とやや低下気味

【プロ向け市場】
 昨年の6月に、ロンドン取引所との合弁のプロ向け取引所としてTOKYO AIMがスタートしているが、残念ながら未だ株式の上場はない。しかし、個人も参加する市場とは開示ルールが異なるプロ向け市場としての機能は注目されていて、現在は機関投資家間で取引される社債流通市場機能や、最近報道されたアジア向けインフラファンドなど、プロ投資家(特定投資家)の投資資金活用を前提として、関係者間での検討が進められているようだ。

【東証上場問題】
 東証の株式会社化以前の取引参加者である証券会社にとって、東証の上場問題は注視するところだ。それは、会員権が株式に替って資産化が明確になっている。しかし、昨年12月に東京地裁で出されたジェイコム事件に係る訴訟で、東証は132億円(賠償金107億円+遅延損害金25億円)の損害賠償金を今期支払っている(訴訟は継続中)。取引量そのものが、3割程度落ち込んでいることもあるが、今期通期で赤字の可能性もあり、また大きな訴訟案件が解決しなければ、東証そのものの上場計画が2012年以降になる可能性も報道されている。

以上、みんなの様々な期待を背負っている取引所は、やはり日本の資本市場のコア・インフラである。しかし、そのインフラを活用する責任は、取引参加者にあることも、忘れてはならない。

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