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2017/10
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ディスクロージャーを考える:ファイナンスの場合
 企業からのディスクロージャー(情報開示)は、資本市場にとって最も重要な情報になる。当たり前のことかも知れないが、この情報発信は、株主や投資家に向かってのものでもある。制度としては3つ程あるが、会社法での株主への事業報告・金融商品取引法での投資家への開示制度・そして取引所ルールでの適時開示制度があり、この適時開示制度はタイムリーディスクロージャーと呼ばれ、株主や投資家、そして市場に対して最も多くの情報を提供している。適時開示制度は、大きく分けると子会社の分も含めて、決定事項と発生事項、それに決算や業績・配当予想などに分けられるが、企業の戦略決定に関する事は、決定事項として決定したら速やかに開示しなければならない。M&Aやファインナンスも、当然決定事項としてその対象になるが、適時開示としてタイムリーであるとともに、一般株主や投資家が対象の開示なので、簡潔かつ明瞭に会社側の戦略決定を伝えなければならない。しかし、最近の適時開示資料(所謂記者発表分)をみると、これでは一般株主や投資家には分かり難いであろうと思われる。M&A特にMBOなどは、法律専門家による文案作成とみられ、文章量が多く内容把握まで相当の努力を要する割に、実質的情報量が少ない。法的リスクを考慮しての文案と思われるが、ハッキリ言って、一般的には悪文の典型例のようなものも見受けられていた。一方、ファインアスに関しても、取引所の適時開示ルールの雛型にそって記載されている記者発表文ではあるが、専門用語の使用も多く、また現状では何か意味があるのか分からない部分もあり、これも普通の投資家や株主には、正確な理解が難しいと思われる箇所も目につく。ディスクロージャーは、本来は株主や投資家の為のものなのだから、彼らが理解可能な平易さが求められるが、何も公表する企業側の責任だけでもないように思われるので、敢えて事例を使って考えてみたい。

企業にとっても、ディスクロージャーは難しい問題で、自らの戦略(決定事項・発生事項)を平易に語ることはまだしも、数年、場合によっては数十年に一度しか行わない、M&Aやファインナンスについて、取引所が示す開示の雛型や、弁護士や投資銀行の助言をもとに、専門用語を多用した文案を使わざるえない現状もある。

ある金融機関のファイナンスに関する記者発表文から考えてみると、以下の部分が、実態は何か・目的はどうか・状況はどうかといった目線からは、記載方法に工夫が必要に思われる。

・募集する株数について:冒頭の募集株式の種類及び数は、実は募集する株数の全体ではなく、多くの場合、別途、オーバーアロットメットによる第三者割当で発行される新株も加わる。オーバーアロットメントは、引受幹事に割当られるが、引受幹事は、募集新株と一緒に募集活動を行うのだから、投資家にとっては合算した数字が見やすく示される方が意味もある。そもそも、オーバーアロットメントを説明する記載においても、ほぼ同様の記載内容で、投資家には募集と売出しが同時に行なわれる意味が分かり難い。(募集活動を円滑に行う手段だが、そもそも募集出来ないものを、どうして引受けて売り出すか、理解が難しいかもしれない。)

・資金使途:株主にダイリューションの負荷を負わせるエクイティ・ファイナンスで、株主が最も注目するのは、そのリスクマネーをどう戦略的に使うかということだが、持株会社である上場会社の公募増資が、子会社銀行の払込みに使われるのは当然として、その銀行が何に資金を使って戦略投資を行うことで企業価値を高めていくかということが注目されている。その株主や投資家の期待に沿った、資金使途記載があるべきではないだろうか。

・利益配分:株主への利益配分が、増資前と変更なければ、そう記載すれば良い。昔話で恐縮だが、利益配分ルールといって、エクイティ・ファイナンスをした企業が、株主に対する早期の利益還元(配当等)増加を約束した時代と同様の開示パターンの雛型で、記者発表文にはこの記載する箇所があるが、実質何も変更がなければ、無理な記載を求めなくとも良いのではないだろうか。その方が、会社の資本政策に関する理解を、株主がしやすい。
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