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2017/06
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コーポレート・ガバナンス強化の為、開示強化へ
10年程前から、会社は誰のものかといった議論を、企業とし始めたように思うが(コーポレート・ガバナンス強化の必要性)、旧商法において自己株取得の解禁や新株予約権・種類株制度の整備などで、企業の資本政策の相当部分が取締役会で決定することが可能となってきたし、持株会社化を含めて多様な経営形態を企業が選択することも出来るようになった。つまり、重要なファイナンスやM&Aは、取締役会で実質的に決定されるが、その取締役会の運営が、株主や将来株主の投資家にとって分かり易くなっているかということも、コーポレート・ガバナンス強化の一側面としてあった。その間、不祥事・虚偽記載・不公正ファイナンス・防衛策・MBOなど公開企業として行為の目的を問う動きも強まった。
 しかし、一部では公開会社法の検討が噂されるものの、コーポレート・ガバナンス強化で議論された独立性の高い社外取締役の導入を義務付ける法規制の改正までには至っていない。現状の社外取締役は、親会社や主要取引先など企業と関係が深くても会社法の“社外”規定では許されるので、その“社外”取締役の、企業からの独立性をどう強めるかが問題になっていた。もっとも、その現行の社外取締役さえ置かない公開企業は全体の56%あるが、監査役会において半数は“社外”監査役なのだから、外部チェックは十分とする企業側の言い分もあった。妥協の産物といっては東証に申し訳ないが、上場規則改正で、“独立”役員の1名以上の設置が新年度から求められる。この独立役員は、取締役でも監査役でもよく、現行で社外取締役がいない過半数の会社も、社外監査役の“社外”の独立性を高めれば、対応できるようになっている。対応できない場合は、その理由を取引所開示において明確に示せばよいという構成になってもいる。
 一方、ディスクロージャー制度から、このコーポレート・ガバナンス強化を目ざす開示府令の改正案も、2月12日金融庁より公表され、以下の内容の開示が、今3月期末ベースの有価証券報告書等開示書類で求められる予定である。

【コーポレート・ガバナンスの体制について】
・コーポレート・ガバナンス体制の概要・当該体制を採用する理由(現状、公開会社の2.3%=社外取締役が半数以上必要な委員会設置会社、その他は監査役会設置会社だが社外取締役がいる企業はその内の44%)
・財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役又は監査委員の有無(監査役機能を充実させる目的なのだろう)
・社外取締役・社外監査役と内部統制部門との連携(監査機能をサポートする社内体制の整備へ)
・社外取締役・社外監査役の設置状況・設置していない場合の理由 等

【役員報酬】(取締役責任限定規定(定款)との関係で、何らかの開示をする場合がある)
・1億円相当以上の役員報酬(金銭・ストックオプション・賞与・退職慰労金等)の報酬等の種類別の個別開示
(現状、役員報酬の個別開示を行っている公開企業もあるが、ごく少数)
・役員の役職ごとの報酬等の種類別の額
・報酬等の額又はその算定方法に係る決定方針の内容及び決定方法 等

【株式保有の状況】(政策投資と言われる、企業間の株式持ち合いがし難くなる方向へ)
・純投資以外で保有する目的の株式で、貸借対照表計上額の上位30銘柄に該当する場合若しくは、資本金の1%以上について、銘柄、株式数、保有目的、貸借対照表計上額

【議決権行使結果について】
・臨時報告書の記載内容として、株主総会における各議案ごとの議決権行使結果(得票数等)を追加する。得票数を集計しないような事前行使分や大株主による当日行使分で過半数となった場合、その理由の記載。

ディスクロージャーは、株主・投資家にとって情報が多い方が良いとされているが、その情報も使用する目的が明確でなければ、開示する側の負担やリスクを考えた時、本当に必要なのかと考えてしまう。役員報酬開示の必要性もまた一つの議論になると思う事項である。

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