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2017/08
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TOBルールの考え方、金融庁Q&Aより
 TOB(公開買付け)ルールは、資本市場における手続きなので、市況環境やその時の企業のあり方によって、時代とともにその対応が変わっていくべきものなのだろう。その意味で、最近注目されているJCOM(ジュピターテレコム)株の大株主間の株式移動に係る動きは、TOBルールの目的を改めて考えさせてくれる教材になっている。
2月15日、住友商事は、以下の内容のJCOM株式に対するTOBを公表した。
・公開買付株数:下限は、459,147株。上限は875,834株。(応募多数の場合は、比例案分の方法による)
・買付け価格:139,500円(2月12日株価92,900円の50.16%のプレミアム。但し、1月25日に公表されたKDDIによる同社株式の大量取得時に株価と同じ)
[算定根拠は、ゴールドマン・サックスの財務分析による。
市場株価平均法:84,039円~91,141円
類似会社比較法:83,418円~131,742円
DCF法:113,995円~189,950円
類似取引比較法:141,030~145,240円]
・公開買付期間:3日3日~4月14日(30営業日)
・買付代金:1221.8億円
【TOBの背景とTOB完了後の変化】
現在、JCOMはリバティー社と住商の合弁会社が57.46%を保有しているが、この保有株は合弁事業契約終了によって、2月18日に両社に配分される。(リバティー社は33.71%分、住商は23.75%分)
先にKDDIが公表したのは、リバティ社分(元来リバティ社の子会社が保有する分も含めて)37.37%分について、リバティー社よりKDDIが譲渡されるということだったが、金融庁よりTOBルールの指摘で、31.1%(2月19日取得予定)に減額すると公表されている。これに対して住商は、現在保有分の3.66%に加え、配分される株及びTOBでの取得で、40%までの保有比率を目指す。

 一方、金融庁より“株式等の公開買付けに関するQ&A”追加案が示されている。内容は、TOBルールの一般的な考え方を示すものだが、今までの11の設問に対して、新しく26の設問が加わっており、年間70件以上ある様々なTOBの実務に応えようとするものだ。

上記の件に関係するとみられる設問は2つあって、
【3分の1超を所有する資産管理会社の株式取得時、TOBルール上の留意】
形式的にはTOBルールに該当しなくとも、その資産管理会社が株式等の買付けの一形態に過ぎないと認められる場合は、TOBルールに抵触すると考えられる。
【組合での株式保有で、解散時に株式が分配される場合】
・自らの選択か若しくは協議により現物株式での分配を選択する場合
・近いうちに組合が解散され、株式で分配されることを知って組合に出資する場合
など、自らの意思で株式を所得すると認められる場合は、TOBルールに抵触すると考えられる。

となっている。また、TOB実行者と関係者の定義を確認するものもあり、特別関係者(買付対象者と株式の持分を加算)については、TOBの買付者への出資が20%超ある個人は、買付者が組合である場合でも、その親族も含めて特別関係者として見做されることも確認されている。
その他、主要な設問としては、TOBの撤回に関する条件に関するもの、TOB買付者と大株主間のTOBに関する契約に関するもの、MBOの際のTOB価格や利益相反に影響のある事情の公表に関するもの、TOB成立により対象会社の取締役が報酬を約束された場合の問題等、あって、TOBの増加に伴い、様々なケースの問い合わせが金融庁に寄せられていることが窺える。
 但し、金融庁がQ&Aの前提で示しているとおり、TOBルールも法制度の趣旨を踏まえて、実質的に解釈・適用されると考えるべきなのだろう。

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