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2017/09
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銀行系証券というビジネスモデル
 この言葉は、多分日本独自のものかも知れない。銀行と証券を分けた米国型金融モデルも、子会社方式での参入で、国債・社債(1993年)、投信の窓販・持株会社方式での証券会社保有(1998年)、株式取次(1999年)の解禁が認められてきた。そして、銀行とその系列の証券会社でのファイアーウォール規制も、昨年6月に緩和され、法人情報に関しては垣根が低くなり、また親銀行の役社員が子証券の役社員を兼務出来るようになった。営業現場での兼務も可能となり、銀行員が子会社の証券会社の名刺を顧客企業に出しながら、運用やファイナンスの相談に乗る事も出来る。但し、資金の貸し手という優位な立場にたった銀行の勧誘行為に対して、顧客企業が不利とならないような顧客情報の管理と“利益相反体制”の確立(内容を公表)が銀行側には求められる。この銀行・証券の兼務については、みずほファイナンシャルグループが、一部で取り組み始めていて、みずほコーポレート銀行とみずほ証券の兼職制度、みずほ銀行とみずほインベスターズ証券の兼職者による上場支援などがあるようだ。

 しかし、なんといっても銀行系証券として注目されるのは、昨年10月から三井住友ファイナンシャルグループ入りした日興コーディアルの今後の展開ではないだろうか。
メガ・バンクが主張する銀・証連携によるメリットが、早いペースで試されていくケースになると予想されるが、先行する銀行系証券のる銀・証連携によるメリットは以下の様になっている。(日本証券経済研究所、二上氏“最近の証券業界動向”より2010.2)
・共同店舗:みずほ銀行とみずほインベスターズ証券=149店舗、三菱UFJ銀行と三菱UFJ証券=39店舗、三井住友銀行とSMBCフレンド証券=6店舗
以下の数字は、2009年3月末実績
・預かり資産への影響:三菱UFJ証券12.3%、みずほインベスターズ証券=40%
・口座増加への影響:三菱UFJ証券14.4%、みずほインベスターズ証券=23%
・収益への影響:みずほインベスターズ証券=38%
この様に、銀行系証券にとって銀行との連携強化は、リテール顧客層の拡大とそれに伴う金融商品販売の増加といった面で、影響は大きそうだ。実際、日興と三井住友の共同販売による投信や社債の大量販売は、早々に効果を上げている様に見える。
 一方、機関投資家や企業を相手にするホールセール部門における銀行系証券のメリットは何だろうか。
機関投資家相手のビジネスは、市場仲介能力がコアになるので、銀行系証券としてのメリットは余りないだろうか、企業に対しては、
○融資関係から、上場を目指す企業へ助言業務での優位さ
○上場企業のファイナンス主幹事業務において、メーンバンクとして親銀行の影響力が利用出来る場合もある
○M&Aなどにおいて、必要資金に対するローン提供などの利用で、親銀行と共同で助言業務を進めることが出来る
○企業の余資運用での金融商品提供の機会が、銀行を通して増加する可能性がある
 などが上げられる。
但し一方では、銀行系証券として、企業側の条件が不利になるのを避ける為の利益相反対応も、求められる。現在の日興は、営業収入の半分以上を投信関連収益に頼るリテール証券モデルの利益構造だが、この企業相手のホールセール部門の強化・拡大を急いでいる。銀行系証券として、今後の変化が注目される。

 日本の銀行による証券業務の取組みは、米国での銀行・証券の業務規制の緩和・撤廃の動きと並行して行われてきたが、その米国では銀行系証券への融資規制など、銀行の投資関連業務への規制強化の動きが強まっている。その中で、日本の銀行系証券は、ホールセール分野において、どの様な優位性を示すビジネスモデルを構築していくのだろうか。
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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

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