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2017/11
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大量保有報告書から見えるもの-その1
 誰が公開企業の支配権に影響する程、株式を大量(5%超)に保有しているかという情報は、投資家・株主にとって、その投資判断に影響を与える重要な情報なのだろう。その保有の目的が、純投資であっても、M&Aに関係するものでも、敵対的買収に伴うものであっても、投資家は、その大量保有の目的を適時・的確に読みとろうとするし、今後の展開を推測しようとする。その為、大量保有報告書の記載内容は、投資家の注目度の高い情報になっている。証券会社は、この情報を解説付きで顧客に提供しようとするし、ネット上でも、金融庁のEDINETで適時公表されているにも関わらず、多くの速報や集計をするサイトが目立つ。

そう言えば、大量保有報告に絡んで、過去に事件と呼ばれるようなことがあった様に思う。
・テラメント事件(2008.1)=僅か資本金1000円の会社が、トヨタやソニーなど日本の主要企業5社の51%の株式(20兆円相当)を取得したとして、大量報告書が提出された事件。虚偽報告の目的は不明。
・西武鉄道株主偽装事件(2004.10)=大株主であるコクドが保有する西武鉄道の株を1000人以上の個人名義にしていたことが明るみに。コクドは上場廃止(株主上位保有80%以上で東証上場廃止、コクドグループ保有だけで、実質88%だった)を避ける手段として、40年以上にわたり、株主数を偽装した(有価証券報告書の虚偽記載)。
・村上ファンドによる株式大量取得問題=ニッポン放送株の取得(2003)同株の売却(2004)、TBS株の取得と売却(2005)、阪神電鉄株の取得(2005)などで、ファンド特例(通常は売買約定の5営業日以内の報告が義務付けられているが、ファンドの場合、特例措置で3ヶ月に1度の報告でよかった)を利用した売買が問題視された。
などなど。

 この大量報告書制度に対して、制度の目的に沿った、実質的な対応や判断がされるべきと筆者も思うが、金融庁は、想定される事例への指針としてQ&A案を公表している。(報告制度に抵触するかどうかという判断は、個々の事案によるが、一般論として提示されている。)
このQ&A案は、金融庁に寄せられた数多くの実務的な問い合わせが設問のベースになっていると思われるが、その設問から株式の保有若しくは大量の売買に係る現状の問題が浮かび上がる。

【意図しない保有比率の変更とその後の売買】
5%超保有した時に報告書を提出し、その後1%以上の保有比率が変動した時か、5%以下になった時に変更を届け出るのが基本だが、保有者が売買しなくても保有比率が変化する以下の場合がある。
・公募でも第3者割当増資であっても、保有者以外に新株が大量の割当てられる場合(所謂大量のエクイティファイナンスのケース)
・相当数を自己株式として取得・保有していたものを企業が消却した場合
・相互保有規定で、他の大株主の議決権がなくなった場合
・企業再編によるもの
この問いは、よくあるものだが、保有者が能動的に動かずに保有比率が変更した場合、直ぐには報告義務は発生せず、その後自ら1%以上売買した場合(売買回数に関係なく通算される)は報告義務を負うとされるのが一般論だ。
又、保有比率には新株予約権も含まれるが、新株予約権の行使期間が終了したような場合、その変動部分が1%以上になれば、変更報告の対象となる。新株予約権及び新株予約権付社債の潜在株比率が高い会社は、その行使期限前後で大きく株主保有比率が変化する可能性もある。
※以下、その2は次号へ
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