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2017/06
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ライツ・イッシュについて再び考える
 既存株主に配慮された増資方法として期待されるライツ・イッシュだが、企業側や増資を取り扱う証券会社側の議論がまだ十分に練れていないようだ。既存株主には有利な方法かもしれないが、時間がかかる・手間がかかる・ファイナンスの収益性(証券会社にとって)が落ちるといったところが、ライツ・イッシュに対するネガティブな反応の背景にある。そこで、ライツ・イッシュの問題点と言われるところを、その仕組みと共に考えてみたい。
 まずライツ・イッシュの基本的な仕組みは、以下の様な手順になる。(例は、筆者が仮定したもの。具体的増資案件ではない。)
① 株主に、新株予約権を無償で割り当てる決議を行う。
【例】2月26日に発行決議。新株予約権の内容は、時価200円の株価に対して、150円の増資払込み。1000株に対して300株分の割当。この権利が有効な行使期間は、割当後2週間。
② 25日以上で、新株予約権の割り当ての基準日を決定。
【例】3月29日時点の株主に割当。同日、株主へは割当て通知、目論見書交付。
③ 基準日から2週間以上たって、新株予約権を株主が受け取る。
【例】4月13日に、株主はそれぞれの証券会社にある口座で新株予約権を受け取る。
④ 株主が、新株予約権を受け取った翌日から2週間は、株主が増資に応じる権利がある。又、この新株予約権を東証に上場し、売買することも可能になっている。
【例】4月14日から4月28日までが権利行使の期間。この間は、150円で増資の払い込みに応じることが出来る。又、この新株予約権は、4月14日に東証に上場され、4月27日まで東証で売買可能。
⑤ 企業にとって増資の総額は、新株予約権の権利行使期日に確定することになる。
【例】4月28日に増資金額は確定。10%は払込みが実施されず、失権。

ライツ・イッシュで問題となるのは次の点になる。
●期間が長くかかる。
(【例】においても、最短で2ヵ月以上かかる。しかし、この期間が長くかかるので発行企業のコストやリスクが増えるという議論は間違いだと考える。一般的な公募増資において、発行決議から払込みまで3週間程度だろうが、公募増資の場合、発行決議前の2ヵ月程度は引受証券の引受審査に対応する実務的な作業があり、結果として3ヵ月近くかかっている。)
●手間がかかる。
(直ぐに払いこんでもらう公募増資に比べ、一旦新株予約権を割当て、その権利行使の勧誘も行わなければならない。但し、本当に手間のかかるのは、株主名簿管理人としての信託銀行と、払込み窓口となる証券会社である。信託銀行も証券会社も、相応の報酬を発行企業から頂ければ良い。)
●証券会社としての収益性がない。
(この議論は少し怪しい。つまり、通常の公募増資であっても、引受証券会社以外は、増資額の数%の手数料を受け取ることはない。むしろ、ライツ・イッシュの方が公募増資より多くの証券会社が、この作業に関係するので、収益化の機会は増加する可能性もある。)

確かにライツ・イッシュの仕組みは、公募増資より複雑になり、その分証券会社を含め関係者の作業も増加する。また、既存の株主増資割当との多少異なる新しい作業も発生する。しかし、株主の支払うコストを考えれば、この新しい増資スキームのライツ・イッシュを、業界上げて取組む必要があると考える。

その為に、以下の様な工夫が必要なのだろう。
○期間の短縮
(発行決議から基準日までの現行25日以上を短縮する要望(14日へ)は出されている。又、新株予約権を割り当てる株主に交付する目論見書の電子交付は推進すべき。)
○証券会社での収益化
(市場仲介者として、証券会社は手間がかかることを惜しんではならない。しかし、窓口となる営業部店へのライツ・イッシュを取り扱うことの収益化への取組みはあっても良い。例えば、株主に割り当てられた新株予約権の権利行使で増資を取り扱うと、対価として数%の払込手数料を発行会社からいただく。)
○ライツ(新株予約権)の権利行使促進(つまり増資)の為の工夫
(新株予約権の権利行使を促進する仕組みはあっても良い。行使価格を引き下げることも考えられるが、失権する新株予約権を、会社が買取り、その対価に新しい新株予約権を株主に渡す。ただし、行使価格は当初の新株予約権より高く、時価を20%程度上回っているが、行使期間は1年間ある、といった様な仕組みは如何か)
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ジャンル : ビジネス

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