*All archives* |  *Admin*

2017/10
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
日本の排出量取引の現状
 鳩山首相表明の2020年まで1990年比25%削減の前に、日本における温室効果ガスの削減は、京都議定書により1990年比6%マイナスを2008年~2012年の間で達成する必要がある。その為、企業や個人の様々なCO2削減努力でなされているが、不足分は京都メカニズムによる国際間で売買される京都クレジット(排出権)の購入が必要になる。現在の国内における排出量取引は、殆ど京都クレジット中心に行われているが、大きく分けると以下の4つになる。

【政府調達】
 排出削減目標の1.6%である2000万トンCO2/年程度=2008年~2012年分で合計1億トンの購入を計画して、ほぼ契約額は目標に達している。主な購入先は、
・チェコから4000万トンCO2:住宅部門での省エネ促進、再生可能エネルギー利用推進事業など
・ウクライナから3000万トンCO2:省エネ、燃料転換、炭層メタンの利用、再生可能エネルギー事業など
・中国から208.7万トンCO2:製鉄所の省エネ型発電プロジェクト、風力発電など

【自主行動計画】
 日本経団連に属する各業界団体が、業界内での地球温暖化の防止や廃棄物の削減などの環境保全活動を促進するため、自主的に策定している計画。2012年まで合計3億トンCO2以上の排出量購入を計画している。主なものは、
・電気事業連合会=2.5億トンCO2(業界全体で2012年まで):中国の水力発電、マレーシアのバイオマス発電、カーボンファンドへの出資約240億円
・日本鉄鋼連盟=5600万トンCO2(業界全体で):中国のHFCs破壊プロジェクト、工場廃熱回収システム、カーボンファンドへの出資
・石油連盟=134万トンCO2/年:ベトナムの石油採掘時の随伴ガス回収利用、ブラジルのメタンガス回収事業、カーボンファンドへの出資
・石油鉱業連盟=4000万トンCO2(7年間):中国でのHFCs回収・分解事業

【カーボン・オフセット】
個人や企業が自ら排出量の削減に取組むものとして、カーボン・オフセットがあるが、環境省により以下の指針が示されている。
①自ら温室効果ガスの排出量を認識し
②主体的に削減する努力を行うとともに
③削減困難な部分の排出量を把握し
④他の場所で実現した温室効果ガスの削減枠(クレジット)を購入、又は他の場所での排出削減活動を実施して、③の部分を埋め合わせする
具体的には、国際会議やコンサートなどのイベントで、参加者が排出量の購入費用を負担したり、事務所の排出量分の京都クレジットを企業が負担するケースなどがある。現在は、あくまでもボランタリーベース。

【国内における排出量取引制度】
 国や自治体における試験的な取組みがなされているが、2008年10月より国内クレジット制度が始まり、以下の概要となっている。
・参加主体:事業所・個別企業(トレード主体の金融機関も可能)・鉄鋼及び自動車の業界団体
・取引対象:今までの試行制度で交付された排出枠、京都クレジット、“国内クレジット”
・国内クレジットについて:この制度に参加する企業が自主的に削減目標を設定、不足が予想される部分は、中小企業などの削減プラン(大企業が技術・資金支援=このプランは政府の委員会が承認する必要がある)を国内クレジットとして購入し、削減枠を達成する仕組み。(省エネ法により、削減目標を求められるものは、2010年4月からは、年間のエネルギー使用料1500klの事業者が対象となることが決まっている。)
 一方、東京都は強制性に排出量削減枠を都下の大規模事業所(約1300)に割り当てる温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の導入を決めている。本年4月から熱及び電気の使用量が原油換算で1,500klの事業所が対象となり、不足分は東京都が認定する中小企業の排出量削減分(クレジット)か、他の事業所の削減枠余裕分から調達しなければならない。

 以上のように、現状の排出量取引は、経団連主体の自主行動計画主体の試行的・自主的取組みが中心であったが、東京都では一部とはいえ強制的な削減枠遵守が義務付けられる排出量取引制度が始まる。また、与党・政府は、鳩山ドクトリン実現の為にも、国内の排出量取引の統一的制度確立に向けた具体的施策が、期待されている。
スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード