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2017/09
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投信販売というビジネス
 証券会社の収益で4割近く占めるようになった投資信託の販売。2月も好調の様で、投信情報会社のリッパーによると、国内追加型株式投資信託(ETFを除く)の純流出入額(設定額から解約額と償還額を引いたもの)6201億円の純増となって26ヵ月ぶりの高水準、12ヵ月連続の増加となっている。
 この投信販売において、証券会社にとっての売上げは、販売時の募集手数料と、販売後に顧客の投信を預かることで投信の運用会社からキックバックされる信託報酬の一部(概ね投資家が支払う信託報酬の半分)だ。最近の主要証券会社24社の昨年4月~12月までの決算状況において、この投信販売時の募集手数料に相当する“募集売出手数料”は、概ね倍になっているが、一方、信託報酬を受け取る“その他受入れ手数料”は、1~3割程度の減少になっている。
 つまり、証券会社においては投信販売は増加しているが、投信残高が減少しているのではないかということになって、次の2つの事が推測される。
①証券会社での投信販売において、投信の乗換えが相当数あるのではないか。
②投信はその残高が増加しているので、証券会社とは別の販売チャネル、つまり金融機関で投信の販売及びその残高が増加し続けている。

 投信の乗換えに関しては、過去に証券会社の手数料(募集手数料)稼ぎと批判されることもあったが、最近は投信といえども、投資家に販売した後の収益とリスクの管理を証券会社サイドがキチンと行うべきだと資産管理型の考えも強まって、1年ほど前の相場下落局面では、投信設定時より一定割合価格が上昇したら償還してしまう目標設定型が人気を集めた。また、金融株・海外REIT・新興国インフラ・海外ハイイールドボンドなど一定時期にその時のテーマを決めて販売活動を集中する手法も目立った。
しかし、顧客の意図しない投信乗換えは厳格に制限される必要がある。証券会社にとって、投信販売の王道は、地道に残高を積み上げることであり、安定収益としての信託報酬の一部のキックバックを積み上げていくべきだとの考え方も、この業界には根強くある。
 前者は野村、後者は大和、と其々の投信販売手法の違いをマスコミに取り上げられたこともあった。どちらが正しいか決めるのは、投資家自身の問題になる。

 一方、証券会社において投信の残高が増加していなければ、もう片方の主要な投信販売チャネルである金融機関で投信残高は増加しているはずだが、その9割近くが毎月分配型だと言われている。この金融機関の投信販売に関して、運用会社の日興アセットは “投信窓販白書2010”を2月に公表している。
昨年2月の発行に続くものだが、金融機関向け研修イベントでの250名の販売担当者・マネージャーを対象にアンケート調査を行ったものの分析が中心になる。詳しくは同白書をご覧いただきたいが、業界の人間として、とても興味深い内容もあるので、その一部を紹介しておきたい。

・リーマンショックによる相場下落は大変だったが、良い経験(販売担当者)
・上司が投信販売にあまり協力的でない。(金融機関にとって、サイドビジネス的に店内で見られることが多い)
・単一の通貨やテーマに集中する傾向
・上司に求められるものは、相場観ではなく投資観
・手数料の投資家への説明について、販売手数料は販売会社への相談料、信託報酬は運用会社への顧問料・販売会社のメンテナンス料・受託会社の保管料
・目論見書や資料の顧客への翻訳が、販売者の仕事
・分配金問題に関して、正しく整理しておく必要性

これらは、販売者向け研修内容の結果としても、一般に白書の形で公表していくのは、面白い取り組みである。投信販売の先達である証券会社にとっても、その内容を、自社の販売対応に照らしてみる必要があるのではないだろうか。
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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

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