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2017/10
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初めてのライツ・イシュー
 今月5日に、日本で初めてのライツ・イシューが行われる。年に数件あるかないかという株主割当増資の一種だが、株主に割り当てられた増資に応じる権利=新株予約権を、初めて東証に上場する。発行者はタカラレーベン(東証1部:8897)だが、内容は以下の様になる。(記者発表文より)
・1株に1株分の新株予約権を、3月31日時点の株主に割当てる。
・新株予約権の払込み価格は、300円(発表直前日4日の終値517円)
・新株予約権の行使期間は、5月6日から5月31日まで
・この新株予約権は、4月1日東証上場を予定していて、権利行使を行わない株主は、東証で売却することが出来る。
・また新たに上記の新株予約権を取得すれば、既存株主でなくとも権利行使をし、新株を取得することが出来る。

 そもそも昨年後半からライツ・イシューが話題になった背景は、大手金融機関や大企業の大量公募増資が相次ぎ、特に11月~12月の大量発行が集中した時期は、大量公募増資は市場の需給関係を悪化させた主因と見做された。また、欧米では大量の増資の際は、株主総会決議を求められるなど制限があるが、日本では発行済株式総数の3割でも4割でも取締役会で発行出来ることの批判も出始めた。
 そこで、既存株主の希薄化を避ける方法として、英国など欧州では一般的な増資形態のライツ・イシュー(株主割当増資)が注目された。日本にも、株主割当増資があったが、株主は増資に応じて払い込まなければ失権するだけだった。ライツ・イシューは、株主が、増資に応じるか、新株予約権として割当てられたもの売却するか、選択することが出来る。今までの株主増資より、株主は経済的メリット(増資で株価が下落するというデメリットに対して)を多く受け取る可能性がある。
なお、ここまでならインボイス(東証1部:9448)が2004年に行った株主に新株予約権を無償で割り当て、不要な株主から買い取る新株予約権買取制度で、同様の効果があった。
 今回、このインボイス事例と異なるのは、新株予約権が東証に上場されて、ある一定期間(とは言っても18営業日)売買することが出来る。株主が売却する事も、新たに新株予約権を取得して増資に応じることも可能だ。この為に、昨年末、東証がライツ・イシュー用に新株予約権の上場制度を変更しているが、今回の様に1対1の割り当てでなくても、1対0.4の割り当てでも上場可能となる。つまり、発行済みの4割の公募増資の代わりに、4割のライツ・イシュー(株主割当増資)を行うことが出来る仕組みだ。
 ライツ・イシューに関しては、時間が掛かるとか、実質的に有利な発行価格での第3者割当になるようなケースへの懸念も聞かれるが、増資による既存株主のダメージは小さくなる。この増資方法が日本でも定着することを、筆者は切に願う。

 また、発行会社のディスクロージャーのスタンスとして、今回の記者発表文において、株主や投資家向けに“Q&A”を公開したことは、非常に良い事だと思う。

なお、業者の性で、以下の事が多少気になった・
・調達資金約47億円に対して、2.7億円の費用計上をしている。
(調達額の5.7%に当たり、初めてとはいえ弁護士費用や株主名簿管理人費用では高すぎるように思う。権利行使費用として、払込みを取り扱う証券や銀行への手数料なのだろうか)
・筆頭株主である代表取締役社長の権利行使予定に関する記載が記者発表文にあるが、624万株の割り当てに対して200万株の行使予定が伝えられている。さらに以下の記載内容もあるが、誤解ないようにそのまま表示すると、“(行使予定がない分について)当該本新株予約権の一部又は同人(社長のこと)の保有する当社普通株式等を売却し、得た資金のうち、税金及び諸費用を除いた全ての資金を充当することにより、その一部又は全部の本新株予約権を行使する予定である”
※この事を判断するのは、株主・投資家の各々の責任においてです。

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