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2017/07
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コーポレート・ガバナンス開示強化に関する投資家・企業の考え
 本年3月末決算分から、公開企業のコーポレート・ガバナンス充実のために、開示が強化される。この事は既に拙稿“コーポレート・ガバナンス強化の為、開示強化へ (2月15日)”で開示省令改正の内容をお伝えしたが、日本アナリスト協会と全国銀行協会から其々意見書が金融庁に提出されている。前者を投資家代表、後者を企業代表として、それぞれの意見を見ていきたい。
(勿論、開示内容が強化されることは、結果としてはコーポレート・ガバナンスの充実に役立つのだが、開示が強化されれば、その分だけ企業側の負担が増える。問題は、企業側が増加した負担分以上に、投資家側が感じる効果が増しているかだが、最近では四半期開示や内部統制報告のあり方について、投資家側からもその効果を一部疑問視する声がある。)≪カッコ内は、筆者注≫

○コーポレート・ガバナンス体制について
【投資家側】
企業統治体制の概要及び当該体制を採用する理由の具体的記載を義務付けたことで、今後はコーポレート・ガバナンス体制の全体像について記載が増えるので、例えば社外取締役に対する各企業の考え方などが把握し易くなる。
【企業側】
東証の取引所開示と平仄を合わせた記載で良いかとか(負担軽減目的)、開示省令文言の確認など。
≪かなり技術的な確認≫
○役員報酬関係
【投資家側】
役員の役職ごとの報酬等の種類別の額と、その算定方法に係る決定方法や方針の義務付けで、各企業の考え方が把握し易くなる。反面、1億円以上の個別役員名開示は、その効果を疑問視。
【企業側】
個別役員名の開示は義務付けるべきではない。個人情報として、プライバシーの問題もあるので、説得的な制度改正理由を示して欲しい。また“主要行等向けの総合監督指針”改正案でも役員報酬に関する積極的な開示が望まれているが、それとの関係を確認したい。
○株式の保有状況
【投資家側】
以下の開示で、株式の持ち合い状況が明らかになり、投資成果、株価変動による財務リスク、現金への感金可能性など分析に有用な情報が増える。
① 投資目的以外の目的で保有する株式で、イ)又はロ)のいずれかに該当するものの銘柄、株式数、保有目的、貸借対照表計上額
イ)当期又は前期の貸借対照表計上額が資本金の1%を超える場合
ロ)貸借対照表計上額の上位30銘柄に該当する場合
②提出会社が持株会社である場合における主要な連結子会社(提出会社と連結子会社のうち投資株式計上額が最も大きい連結子会社)で一定の要件を満たすものの株式について①と同様の事項
③純投資目的で保有する株式の上場・非上場別の当期・前期の貸借対照表計上額の合計額 等
【企業側】
金融機関の保有銘柄開示は、企業の信用力に与える悪影響も懸念されるため、極めて慎重に判断願いたい。政策保有目的の開示は、その確認の為に企業の同意(開示に対する)が必要な場合もあって、実務的に困難な場合もある。また、改正後の初回の開示について、1%基準は対象外とすべき。(前年度はこの開示を前提に事業活動を行っていない為)
開示対象に、非上場株式も含まれているが、これは企業の信用力への悪影響も懸念されるので、上場株式に限定すべき。≪アナリストが非公開株の保有情報をどう評価するか分からないが、また銀行が株式を保有することで信用力に悪影響がでるメカニズムも良く分からない。≫
○議決権行使結果
【投資家側】
特に意見なし。≪議決権行使結果を現在公表しているのは30社余り。公表することで株主の議決権行使を促進すると考えるのでプラスではないだろうか。一部には、議決権行使助言会社の仕事が増えるだけとの意見もあるが、結果、個人も含めて議決権行使が進むことがガバナンス強化へ繋がると考える。≫
【企業側】
開示は、賛否が拮抗して総会当日にならないと可否が決定しない場合に限定すべき。当日行使分を含めた開示は実務的に困難。≪内部統制上の社内手続きとしているが、数日作業にかかるという理由のようだ≫
また役員選任議案の個別名ごとの開示は、投資家にとって有用かどうかわからないので、開示方法などは会社の判断に委ねるべき。

 資本市場は、有効な情報が必要であり、確かに開示内容は多ければ良いというものではない。コーポレート・ガバナンスの開示の充実も必要だが、有効でない情報の簡素化も行うべきではないだろうか。例えば、4月から投信目論見書は簡素化されるが、開示情報も“事業仕分け”が必要な部分もあるのではないだろうか。なお、企業のディスクロージャー問題は、次にIFRS対応という大きな問題を控えている。

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