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資本市場からみた地方債概要
 地方債に関する議論をする時、関係者によってその言葉の意味する範疇が異なる場合があるので、資本市場(つまり投資家の立場で)的に少し整理してみたい。

 発行残高200兆円を超える地方債は、買い手によって以下の様に区分される。
①政府資金引受分:財政投融資資金 発行形式は譲渡しないので証書借入方式  平成22年度発行計画分 4.3兆円
②地方公共団体金融機構引受分(平成20年に公営企業金融公庫から組織変更)発行形式は証書借入方式 平成22年度発行計画分 2.2兆円
③銀行等引受債:地方公共団体が地元の地銀・信金等地域金融機関に対して発行 発行形式は証書借入方式と譲渡可能な証券発行方式 平成22年度発行計画分 5.1兆円
④市場公募債:個人も含めて投資家なら誰でも購入できる。 発行形式は証券発行方式 平成22年度発行計画分 4.3兆円

資本市場からみて地方債という場合、③の証券発行方式分と④を指す。つまり、投資家によって売買可能な地方債という市場は、直近の在庫で以下の様な規模になっている。(平成22年2月末、証券保管振替機構)
③銀行等引受債のうち証券発行方式分の残高=5682銘柄 22兆4062億円
④市場公募債=2180銘柄 44兆2302億円
③´地方公社債分(銀行等引受債のうち証券発行方式分の残高)=43銘柄 5402億円
④´地方公社債分(市場公募債)=51銘柄 5536億円
つまり、売買可能な地方債は、約8000銘柄、約68兆円分(地方債全体の3分の1)ある。

この分の投資家別保有は、
・地銀、信金、信組及びの農協系などの地域金融機関で、全体の約4分の1
・郵便貯金や簡保などで、全体の約4分の1
・民間生保や共済保険で、全体の約4分の1
・年金基金(民間・公的)で、全体の約6%
・個人は全体の2%程度だし、海外投資家は0,2%未満
となっている。
③の銀行等引受債のうち証券発行方式部分の半数以上は、元々の割り当てられる地域金融機関から保険会社や年金などの投資家に転売されているようだが、この分に関してブローカーとして証券会社が仲介機能を果たすことはなく、当事者間の直接的取引が主になる。

 結局、資本市場からみて狭義の地方債定義とは、地方債全体の22%の市場公募債になる。この分は、証券会社は発行時に引受幹事として投資家に販売することも出来るし、市場仲介者としてその後の売買に関与する。また、地方債全体は、地方財政の改善や借換債発行のピーク(平成15年度)を超え、発行総額が減少し始めているが、市場公募債は以下の様に増加している。
○平成11年度  28都道府県及び市  2兆0867億円
○平成21年度(1月まで発行) 47都道府県及び市  5兆9190円 
(この他に住民参加型市場公募地方債は、73都道府県及び市 2162億円)
また、この市場公募債は投資家のニーズに合わせて銘柄の多様化が進んでいて、10年債・5年債の定番以外に、15年・20年・30年の超長期債、3年の短期債、7年債、外貨建発行、共同発行債、個人向け債券に該当する住民参加型市場公募地方債など、債券としては一通りの投資家ニーズに応える取組みが為されているように見える。

 しかし、この市場もやはり発行市場での対応に追われていて、流通市場整備は未だ取り組む気配さえない。(現在、証券業協会では社債市場の活性化に向けて、流通市場機能整備へのワーキングが行われている。社債市場と市場公募地方債市場を比較すると、残高で7割強、発行で5割強の規模になる。)
 この問題は、発行者の地方債協会で議論すべきなのか、市場仲介者の証券業協会で議論すべきなのか、社債市場改革の取組みの最中に多少気が速いかもしれないが、可能な範囲で少し考えてみたい。次回に・・・
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