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2017/06
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企業側から見たディスクロージャー制度の問題
 常に上場企業のディスクロージャー制度改革が言われるのは何故だろう。
時々顕わになる上場企業の問題行為を牽制するという目的ではない。粉飾決算が行われようが、内部で何らかの偽装行為があろうが、社長が突然変わろうが、その原因や影響が、株主や投資家にきちんと伝わればディスクロージャー制度は成り立つ。では、常に制度改革が議論されているのは、きちんと伝わっていないという関係者の認識があるのだろうか。

最近、個人も含めて日本の投資家の日本株離れが言われるが、市場取引で一番問題になることは、参加者間の情報の非対称性だ。例えば、ローンの出し手の銀行が大株主になっていたり、企業間で株式を持ち合っていたり、経営者や親会社は半数以上の株式を保有していても良いが、同じ株主(将来株主の投資家も含め)として、投資判断に必要な情報は共有すべきだ。それは、上場会社のディスクロージャーの基本になる。
では、どこまでの情報を共有する必要があるのかとうのがディスクロージャー制度議論になる。
上場会社は平成20年4月以降の事業年度から、四半期報告書と内部統制報告書の提出が金商法の開示制度上で義務付けられているが、企業側は新たな財務・監査対応が求められ、相当のコスト負担になっている。
また、この4月から取引所の適時開示制度において、独立役員(社外取締役&社外監査役)の設置状況といない場合の理由の開示が求められている。

 これらの一連のディスクロージャー強化の動きに対して、企業側から投資家にとって本当に有効に使われているか、そもそもの取引参加者間の情報の非対称性解消に役立っているのかという疑問が強まっている。
日本取締役協会から、ディスクロージャーの改善に関する提言“副題:投資家にとっての有意義な企業情報の充実に向けて”が、3月29日に公表されている。提言内容は以下の概要となっている。(カッコ内は筆者の注記)

①四半期開示の簡素化
企業が作成に係る手間の割には、投資家に利用されていないのではないか。もう少し内容を簡略化してはどうか。(新興企業にとって四半期開示及び内部統制報告書は負担が重いものになっている。新興市場改革においては、これらの開示負担を軽減してはどうかという市場関係者の意見もある。)
②適時開示(決算短信)の簡略化
金商法で義務化されている制度開示との重複を避け、変化する事象に重きをおいて開示し、それ以外は制度開示に委ねるべき。また、無理な業績予想よりも、業績予想に必要な情報をIR活動を通じて提供すべき。(筆者の私見として、この意見は投資家側から見て無理がある。何故なら、企業のIR活動は企業が自主的に行うものなので、取引所開示における企業の業績予想は必要。投資家は別に業績予想の制度を求めているのではなく、業績の先行きに関する企業の考えとその変化を知りたがっている。)
③IR情報の充実
ホームページの活用によるIR情報の充実。長期的な業績目標や市場環境分析などを通して、投資判断に資する情報を提供していく。(情報の充実には異論がないが、IR活動は企業の自主的行為なのでディスクロージャー議論とは分けるべきではないだろうか)
④証券アナリスト機能の充実
短期的な視点のアナリスト分析が多く、現在の証券アナリストの役割に疑問。個人投資家向けアナリスト機能を充実させるべき。
(確かにアナリストカバーの企業数は500社にも満たない。特に個人に提供されるアナリスト情報の分析の質は同業からみても疑問がある。指摘を真摯に受け止めて、業界としての改善を考えるべきだろう。)
⑤証券取引所の情報提供機能の強化
個人投資家を対象として、インターネットを利用した情報提供機能(時系列的な業績情報やアナリスト予想情報等)を充実させるべき。
(情報ベンダーと重なりそうだが、個人向け投資家情報の提供整備はコストが掛かるとしても業界で取り組むべきと考える。)
 
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