*All archives* |  *Admin*

2017/09
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  >>
独立役員とは何か
 独立役員とは取引所規則上での言葉である。その定義するところは、一般株主と利益相反が生じる恐れのない社外取締役又は社外監査役をいう、と取引所規則に記載されていて、本年3月期決算会社から1名以上確保しなければならない。この独立役員の届出を3月まで行なった対象上場会社は2094社あるが、この内187社が未確保になっている。
 一般の投資家には、この事が何を意味しているか、分かり難いと思われるので、この制度とは少し距離を置いて見直してみたい。

 そもそも独立役員が社外監査役でも良いのなら、会社法上の監査役会設置会社は、監査役の半数以上を社外監査役にしなければならないので、社外監査役数では問題ない。しかし、敢えて取引所規則で独立役員とするのは、現状の社外監査役・社外取締役の社外という規定では不十分と取引所が考えるからだ。
何が不十分かというと、“一般株主と利益相反が生じる恐れのない”ということが、現在の会社法上の社外取締役や社外監査役の規定では問題あるということのようだ。
会社法上の社外取締役・社外監査役の定義は、会社法第2条15号と16号に記されていて、現在もしくは過去において会社や子会社で働いていないものとなっているが、親会社・主要な取引先・主要なローンの出し手、またはグループ内の関連会社などからは制限していない。
一方、東証の独立役員定義は、親会社や主要取引先など企業との関係が深いは独立役員として望ましくないが、敢えて指名する場合は、その理由をコーポレート・ガバナンス報告書で公表するということになっている。ちなみに3月まで、東証に独立役員(75%が社外監査役、25%が社外取締役)の届出を行った3595名のうち、主要な取引先関係者は114名となっている。

 何故、上場企業では、通常の会社の業務や取引とは関係が深くなく、経営者から独立した立場の役員が求められるのだろうか。それは、上場企業の経営者と一般株主との間の利害の相違が顕在化する局面が、近年目立ってきたことから、コーポレート・ガバナンス強化の一環として、独立取締役の導入についての検討が経済産業省の研究会でも、金融庁の金融審議会スタディグループにおいても、なされており、取引所ルールでの導入検討という方向性が、出されていた。
事例としてよく上げられるのは以下の3つである。
・MBOの意思決定プロセスにおける経営者の恣意性の排除の為の工夫
・買収防衛策での内部取締役の保身行為の監視
・第三者割当増資で、25%以上の希薄化や支配権の移動する場合の増資の必要性・妥当性判断
これらの決定の際、一般株主の利益に配慮した公平で公正な決定がなされる仕組みとして、企業経営者からの独立性の高い取締役=独立取締役(独立役員ではない)の導入議論がされていた。

 今回の東証での独立役員制度導入に当たり、東証上場制度整備懇談会では、3月31日“独立役員に期待される役割”を公表している。独立役員は、一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが期待されているが、ポイントとしては以下の事を上げている。
○上場会社の業務執行に係る決定等が、その会社の事業目的の遂行及び企業価値の向上という視点からみて合理的であるか。特に一般株主の利益に対する配慮が十分に行われているか。
○業務執行に係る決定等を独立役員として適切に評価するために必要な情報は、あらかじめ十分に提供されているか。
○業務執行に係る決定等の目的、内容及び企業価値に与える影響が、正確、適切の開示されるよう工夫されているか。
以上の独立役員制度の取引所での導入に当たり、投資家からみて実効性のある取組みを取引所には期待したい。これが取引所ルールなら、開示により企業行動を促すだけではなく、対応しない場合のペナルティも必要だろう。また、上記の機能を社外取締役も若しくは社外監査役どちらかが果たせというのは、制度としては無理があるのではないだろうか。(上場会社の精神規定に終わりかねない)

 やはり、出来れば独立役員ではなく、独立取締役導入規定を、取引所ルールで整備すべきではないだろうか。でなければ公開会社法を待つことになるが、組合出身の役員が独立役員でないことは、投資家は知っているし、市場はその様な議論を望んでもいない。
スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード