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2017/06
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ギリシャ格下げに関する投資家への情報伝達について
 もう昔話になりそうだが、米SOX法や内部統制強化の契機になったエンロン事件・ワールドコム事件の日本の個人投資家への影響としては、両社の社債を組み入れたMMF(マネー・マネジメント・ファンド)で、初の元本割れがあった。個人投資家の概ねの理解は、MMFは高格付けの社債で運用されているといったもので、虚偽決算があったとしても、その債券の格付け情報や価格情報がどう扱われているか、その当時は分かり難いものだった。その為、営業現場からは相当の不満があって、商品部門のスタッフが右往左往していたのを思いだした。今回のギリシャ格下げと、その直後の投信の運用会社からの情報提供を見てである。
今回のギリシャ格下げは、S&Pが4月27日公表したものだが、
・長期ソブリン(政府や政府機関が発行する債券の総称)は、BBB+からBB+へ
・短期ソブリンは、A-からBへ
・アウトルックは、ネガティブへ
となっており、格付けの3段階の引き下げと、投資不適格と言われる格付水準になったことに、多少の衝撃が市場にはしった。ギリシャ危機は昨年の10月から表面化していたが、S&Pは3月16日に同国の格付けに対し“引下げの方向で見直し”を解除していた(アウトルックは、ネガティブ)。今回の格下げで、4月27日のギリシャ国債利回りは9.67%(ドイツ国債とのスプレッドは6.75%)に急上昇しているが、国内の主要投信会社は、28日にギリシャ格下げに対する金融レポートを公表している。

以下に、今後の見通しなど各社レポートの特徴を簡単に紹介しておく。
【国際投信】
格下げ内容と、国債市場や外為市場への影響、ギリシャ危機の推移を記載。
・格下げの原因:欧州各国の足並みの乱れ
・今後の注目点:欧州版IMF創設の動き、EU加盟各国の財政悪化への踏み込んだ対応策
【大和住銀投信】
格下げ内容と、国債市場や外為市場への影響、ギリシャ支援の動向とその背景を記載。
・格下げの原因:ドイツの消極的な姿勢
・今後の注目点:ドイツの支援に関するEU各国との合意。ドイツ地方選挙の影響(5月9日)と5月10日前後といわれるEU首脳会議
【野村アセット】
格下げ内容と、国債市場や外為市場への影響、ギリシャ危機の背景を記載。
・今後の注目点:ギリシャ国内景気の悪化、財政緊縮策実施への困難さから、危機の収束には時間がかかる見通し。
【日興アセット】
格下げ内容と、国債市場や外為市場への影響、問題各国のGDP比財政赤字の状況、S&Pレポートの簡単な内容を記載。
・今後の注目点:債務不履行やEUからの脱退の可能性は極めて低いとの見通し。但し、EU各国の財政再建計画が、短期的には景気回復・拡大の制約になる可能性なり。
【大和投信】
ギリシャ国債の利回り推移、本年2月以降の格付け各社の動向、
・今後の注目点:市場の関心は、ギリシャの短期的な資金繰りから長期的な債務残高水準に移行。当面は混乱が続く可能性。但し、IMFやEUによる支援策が強化される可能性は高い。

 以上のレポートのベースになっているS&Pの格下げ情報に関しては、28日17時過ぎに日本語での格下げ情報を公表している。(原文は27日マドリッドから発信されたもの。)主なポイントは以下。
●経済成長の見通しが弱まっていることから、政府の選択肢は限られている。政府が既に財政再建策を打ち出しているにもかかわらず、高水準の公的債務負担に起因する財政リスクは強まっている。
●ギリシャの財政再建策は政府次第だが、労組等の抵抗が予想される。4月に税制改革法案を可決し、5月に年金改革法案が提出される予定。
●ギリシャの一般政府債務のGDP比は2010年124%、2011年131%に達する見通し
●S&Pの予想では、実質成長率が2009年~2016年までほぼ横ばい、名目GDPも2017年まで2008年水準に回復しない。
等など。

 日本でも格付機関規制が4月から実施され、格付情報の公表には相当配慮されていると思う。ただし、8年前のエンロン事件当時と比較し判断するのは、投資家自身による。

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