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2017/10
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日本の資本市場:大証の取組み
 この4月から大阪証券取引所は㈱ジャスダックを吸収合併し、10月にはヘラクレスとジャスダック市場を統合した新・新興市場“JASDAQ”がスタートする。上場数約1000社は、韓国取引所のKOSDAQとほぼ同規模だが、シンガポール(132社)や香港(178社)の新興企業市場と比べて、アジアでは群を抜く存在感になる。最近は、この新市場で、グローバルスタンダードに合わせて昼休みを無くする方向で検討していることが伝えられた。東証もそうだが大証も取引所として様々な取組みを行っていて、日本の資本市場の改革を担っている。既存証券会社はシステム負担増から反対が多そうだが、昼休み廃止問題は、これらの取組みのほんの一つに過ぎない、また大証は、自らも上場会社なので市場の評価を受ける。直近1年の株価は33.1%(昨年4月末比)上昇しており、日経平均の21.9%を大きく上回る。(※本稿は、投資を勧誘するものではない。)

 直近公表された平成22年度決算数値から、収益構造を見てみると、
  ・営業収益 230億円(前期比 14.8%増)
     うち、①取引参加者からの手数料等 128億円[全体の56%]
     うち、②機器・情報提供料      63億円[全体の30%]
     うち、③上場賦課金         30億円[全体の13%]
となっており、①の6割以上が日経平均先物・オプション取引に係るものだ。収益の3分の1以上を占めるので、大証はデリバティブ取引所としても評価される。但し、大証における昨年度の先物・オプション取引の状況は、日経平均先物が1日平均9万単位(前年比29%減)、日経225ミニが同44万単位(前年比11%増)、日経平均オプションが同15万単位(前年比19%増)となっていて、トータルの取引金額ベースでは前年比2割強の減少となっている。日経平均先物の減少はシンガポール取引所(SGX)との競争の影響とみられるが、大証は、本年7月から株価指数先物・オプション取引のイブニング・セッションを20時から23時30分まで延長する予定だ。また、来年早々には、デリバティブ売買システムのリプレースもなされる。
上場FX取引として、東京金融取引所のクリック365の後を追う大証FXは、昨年7月に始まったが、証拠金残高を投資家自らがリアルタイムで確認出来たり、株式・債券が証拠金に代用出来たり、値付け方法をオークション方式とマーケットメーク方式を融合した方式を採用したり、証券会社の顧客にとっては使いやすい工夫がなされている。但し、まだ4社の取扱いに留まるが、5月からはシステムも強化され取引増加が期待されている。

 一方、新JASDAQ市場を抱えることで、大証は新興市場問題にも直面しなければならない。
米田社長は、新市場での取引時間を何らかの形で延長していきたいとしているが、この現物株式の新興市場活性化の問題は、根深いものがある。取引所として、まずIPO銘柄を増加させること、次に取引を活性化させることだが、これは本来市場誘導業務を行う証券会社の問題だ。しかし、1年程前に日本証券業協会において“新興市場の機能と信頼の回復に向けて”という問題点を指摘する報告書が公表されているが、IOP機能の回復に向けた取組み(例えば他のアジアの新興市場と競争するような)で具体的な事は示されていない。その中で、大証はジャスダックの地域フォーラムを組織化して、地域から新興企業を発掘しようと試みる。また、新興市場で問題になるアナリストカバー率の低さ(東証1部55%に対して、ジャスダック15%、ヘラクレス20%)に対して、取引所が援助するか米ナスダックの様に全社対象を義務付けるかの検討を行うとしている。

 以上の様に、資本市場のインフラとしては東証・大証とも、よく頑張っていると思うが、その改革を実効性のあるものにする為には、新しい取引所インフラを使いこなす証券会社の器量が必要だ。

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