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2017/06
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総合取引所構想への期待と問題
 シリーズの3回目になるが、そもそも総合取引所構想は何を期待されているのだろうか。この事について、関係者別に考えてみたい。
 先ず取引所は何により構成されているか、簡単に括ると以下の様になる。
○上場商品
○取引システム(売買に必要な情報システムを含む)
○取引ルール(上場ルールを含む自主規制機能)
○取引清算機能
○取引参加者
 これらは相互に深く繋がっていて、上場商品が新たに増加すれば、取引システムの増強が必要になり、取引ルールも見直さなければならないし、清算機能の提供やルールも決めていかなければならない。そして、そのコストは、結果として取引参加者が負担する。つまり、上記の5つの要素が上手く繋がってこそ、取引所としての機能は発揮される。投資家の注目する上場商品があっても、それを取引する為の他の要素に支障があれば、その取引は拡大していかない。原油や貴金属を上場する商品取引所が国内にあったのに、それを金融サイドの運用者が素通りしていたのは、この事の証左だろう。

 ただし、国際的な競争力をもつ国のインフラとしての総合取引所構想は、誰しも望むものだ。上記5つの要素のうち取引ルール=法制度においては、証券・金融と商品の間の共通化を目指す動きが進み始めた部分もある。昨年10月から段階的に施行されている商品先物取引法(商品取引所法と海外先物法の一体化)は、証券取引所との相互乗り入れを7月から可能にし、相場操縦行為への監視や投資家への不招請勧誘など金商法との共通部分も増えている。また、取引システムについては、東京工業品取引所(以下、東工取)が昨年5月からナスダック・OMXグループの新システムを稼働させているが、大証が本年度内に予定するデリバティブの新売買システムも、OMX製が予定されていて、東工取・大証の提携強化の可能性も出ている。
取引清算機能の充実は取引拡大には欠かせないが、東工取を含めた4つの国内商品取引所における清算能力の小ささは、経済産業書の審議会報告においても問題視されている。この清算機能の問題は、金融・証券側でも、金利スワップやCDS取引の為の店頭デリバティブ清算機関設立準備においても課題になっている。既に国内に金融・証券関係で5つ、商品で1つの合計6つの清算機関があるわけだが、それぞれの取引参加者が別であっても、大量の取引決済に対応可能なように何らかの形で清算基金を各取引所が共有できないか法案整備への期待も一部にはあるようだ。
 一方、投資家側から見た期待は少し分かり難い。オルタナティブ投資と難しく考えなくとも、個人にも新興国成長に支えられた資源高から、商品先物への投資意欲は強まっている。ただし、東証の商品関連のETF19銘柄は、いずれも海外の取引所の商品・商品先物指数に連動したものだし、最近増加しているCFD取引における商品指数も、海外取引所を対象としている。つまり、証券市場と商品市場を繋ぐETFやCFD取引において、国内の商品取引所でなくとも済む構造になっている。

 冒頭に、取引所構成の為の必要な要素を5つ上げたが、総合取引所構想が打ち出された3年間のここまでの対応は、取引システム・取引ルールの総合取引所へのインフラ整備が中心となっていて、清算機能整備はこれから、上場商品の拡充は随時といったところではないだろうか。但し、最も重要な事は、取引所の直接の取引者であり投資家を取引所に誘導する取引参加者をどう拡大していくか。その為に、取引所の戦略と政策の後押しが必要だと考える。異なる投資ニーズや取引規模の市場誘導の為には、商品取引所でも、TOKYO AIMでも、多様な取引参加者が望まれていて、その為には市場誘導者としてのバーは低い方が良い。それが、ヘッジファンドでも、CFD取引業者でも、取引所として取引参加者のキャパシティが深い方が、その成長の可能性も大きくなるだろう。
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