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2017/06
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インターネット取引模様
 デジタルデバイドという言葉は、もう死語になりつつあるのかもしれない。あまり変わり映えのしない日本証券業協会の“インターネット取引に関する調査”を改めて眺めながら、そう感じた。(調査ご担当の方には申し訳ありませんが、半年1度の調査なので、最近は変化していないと言う意味です。)
 同調査によると、この3月末のインターネット取引口座数は1574万口座(うち残高ありは、1101万口座)というが、口座の半数は50才代以上で特に70才以上は全体の11%174万口座ある。この数字は、30才未満の倍の数値になる。インターネットでの株式の取引状況をみると、売買代金ベースでは60才代が全体の27%を占め最も多いし、投信の募集状況をみると60才代が32%・70才以上が20%と合計すると半数以上になっている。(但し、ネットでの投信取引高は、昨年度で6718億円と投信販売全体の中では少ない。)かつてはネットを使って何か新しい取組みを行おうとした時、デジタルデバイド対策を直ぐ求められたが、金融商品に関して言うとインターネット利用は当たり前の事になっている。
 インターネットでの取引は、昨年度で株式売買全体の27.5%を占め、その前の年からは5%程度増加しているが、個人の株式取引はその重心が完全にネット専業証券に移っている。昨年度の個人株式委託売買代金ベース(154兆円)では、ネット専業5社によるシェアが69.4%(106兆円)、個人信用取引においては78%に達している。また、松井証券の推計によると、この個人の売買の45%(70兆円)がデイトレーダーだという。ちなみに、個人の株式保有額(昨年末で64兆円)のストックベースでは、ネット専業証券は各社3割程度残高を増加させていて、他証券からの株式資産の移動が推測される。

 ネット専業各社の昨年度概況は、各社決算説明資料から以下の様になっている。
≪営業収益≫(カッコ内は営業利益と預かり資産に対する営業収益率)
SBI=456億円(124億円、1%程度)
松井=243億円(113億円、1.6%程度)
楽天=230億円(61億円、1.6%弱)
マネックス=224億円(44億円、1%弱)
カブドットコム=150億円(49億円。1.2%程度)
※SBIとマネックスの収益増加要因としては、FX取引増加要因が大きい
≪平均委託手数料率≫※SBIはインターネット部門のみ(カッコ内は前年度)
SBI=3.5べーシス(3.1べーシス)
松井=12.4ーシス(12.4べーシス)
楽天=5.3べーシス(5.31べーシス)
マネックス=―――(10.9べーシス)
カブドットコム=9.3べーシス(8.9べーシス)
※手数料引下げ競争は、終息か?
≪システム関連コストが営業収益に占める割合≫
SBI=32%
松井=24%
楽天=35%
マネックス=26%
カブドットコム=22%
※ネット専業証券にとってシステム投資は生命線だが、上記比率が低い方が今後のシステム投資の糊代があるとも言える。なお比率の高いSBI、楽天、マネックスはシステムに関する行政処分を受けている。

 各社の決算説明資料から、筆者が感じた各社の戦略を1行で表すなら以下の様にいえるのではないか。
(必ずしも実態を現わしている訳ではない。)
SBI=インターネット活用して金融インフラ基盤整備による顧客の囲い込み
松井=顧客収益重視
楽天=口座数増加戦略とグループシナジーの活用強化
マネックス=費用削減重視によるコストパフォーマンスの改善、投資教育への注力
カブドットコム=顧客収支改善重視、仲介業を通した銀行とネット証券の協働

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