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2017/06
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日本の資本市場の問題:東証社長の講演録より
 日本悲観論にもう10年来慣れているはずだが、一人当たりのGNP23位(2008年)だと数字を突き付けられると、長年経済大国日本に育ってきた身としてはガッカリしてしまう。
 金融・資本市場において、世界に誇る1500兆円の個人資産を背景に、貯蓄から投資へのビジョンを語っても、足元の日本の資本市場の現状も見直してみると、この分野の国際競争力が確実に低下していることが分かる。日本の資本市場はどうしたのか。昨年は、バブル期以来の5兆円を超す公募増資や社債の発行増加など発行市場は堅調だったが、その発行市場の恩恵は一部の市場参加者(証券を含む金融機関)だけで、流通市場・IPO市場・国債以外の債券市場機能の問題点は指摘されながらも、改善への具体的取組みが一向に始まらない現状。その日本の資本市場に問題に関して、東証社長が「資本市場を考える会」での講演で指摘しているポイントを紹介しておきたい。

【東証の時価総額】
 売買高では上海取引所に抜かれたりしていることがマスコミで時々話題になるが、時価総額ベースではまだ東証の方が大きい。ただし、上海と深センを合わせると東証とほぼ同規模、3月末時点でそれぞれ3.5兆ドル。ちなみに取引所単独では、東証はニューヨーク取引所12.4兆ドルに次いで現在世界2位、3位のナスダックは東証とほぼ同規模の時価総額。

【IPO数】
 東証は9社で資金調達額2.4億ドル、ニューヨーク取引所は35社で157.8億ドル、香港取引所は66社で320.2億ドル

【主要取引所収益等の比較】
・東証:営業収益670億円、営業利益141億円、時価総額(関係者の推計では3000億円程度か)
・大証:営業収益200億円、営業利益77億円、時価総額1320億円(3月末)
・シンガポール取引所:営業収益393億円、営業利益150億円、時価総額5462億円(3月末)
・香港取引所:営業収益761億円、営業利益657億円、時価総額1兆6788億円(3月末)
・ドイツ取引所:営業収益3063億円、営業利益841億円、時価総額1兆3466億円(3月末)

【PERの国際比較】(3月末時点9
日本:17.7倍(TOPIX;赤字企業を除く)、米国:17.4倍(赤字企業を除く)、イギリス12.2倍、ドイツ:18.8倍、香港16.4倍、中国:15.7倍(銀行は13倍程度と低いが、事業会社は40~50倍とみられる)

【30年間の主要企業の移り変わり日米比較】
30年間、時価総額30位以内ランキングで入れ替わりは日本が13社、米国は21社。その内、ベンチャー企業からのランキング入りは、日本はソフトバンク1社、米国は7社。

【プロ向け市場の状況】
 昨年6月に東証とロンドン取引所の合弁取引所として開設されたTOKYO AIMは未だ上場なしというのは報じられているが、同様の仕組みで昨年10月末にスタートした中国版新興市場の“創業板”は70社を超えていて、待機企業数が150~160社あると言われている。

【東証の高速化対応:機関投資家】
 投資家側への取引高速化対応サービスとして、東証はコロケーションサービス(取引サーバーを東証システムと同じ場所に設置することで、更に取引注文を高速化させる)を提供している。この申込みは予定の倍(20社程度?)があるが、日本の機関投資家はいない。

 斉藤社長の講演は、日本の資本市場をどうやって復活させていくか、様々な示唆に富む内容で話されているが、上記は、講演内容から日本の資本市場に関して直接指摘しているものを抜粋した。
(詳細の講演内容は、日本証券経済研究所:証券レビュー5月号“資本市場の実態と再生に向けて”をご覧ください。)

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