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2017/07
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今日的買収防衛策の意味は
会社は誰のものかという議論を、もう10年来している。確かに上場会社であっても会社は株主のものだけで無いことは世間の一致するところだが、株主としての最低限の利益が守られなければ、資本市場は成り立たない。その株主や投資家の利益を守る仕組みが、コーポレート・ガバナンスの強化で、それを対外的にキッチリ示すのが、ディスクロージャーの充実ということになる。
 そのコーポレート・ガバナンスの目的の一つに、買収防衛策への対応があるが、もう真近に迫ってきた6月下旬の株主総会で注目される議案だ。この6月総会以降、株主総会での議決権の行使状況を原則開示(臨時報告書で)しなければならないが、株主の投票結果の公表を前提にした企業側の買収防衛策への対策が注目される。

 そもそもの買収防衛策は、敵対的買収に対するライツ・プランの発動を前提にしたものだが、このライツ・プランは、ライツ・イシュー(株主割当増資)と同じく新株予約権を株主に付与する。違いは、企業が敵対的買収者と認定したものは、このライツが行使出ず、結果4割買付けたと思った株数が保有比率だけ2割や1割まで低下させてしまう。
買収防衛策は、2005年から企業に本格的に導入され始め、2007年には年間導入企業数が234社とピークとなり、昨年末時点で567社(レコフ調べ)が導入しているが、これらの買収防衛策は、有効期限を3年間としているものが多く、今年は株主総会で再提案時期に当たる。注目されるのは買収防衛の再提案内容と、それに対する機関投資家などの投票動向だ。上場会社の15%近くも導入している買収防衛策だが、TOBルールの改正などによって、目的も分からず突然3分1以上保有されるリスクが減じたことから、最近は廃止する企業も目立っている。

買収防衛策の内容については、いくつかのパターンに分けられるが、株主側からみたポイント概要は以下の様になる。
●敵対的買収者として認定するプロセス
●ライツ・プラン(株主への新株の付与)発動の条件
●敵対的買収者への対応(金銭での買い戻し条件等)
1番目は、誰にとって敵対的かということを明確にするプロセスであるが、誰が敵対的買収者として判断するかということが重要になる。2番目は、ライツ=新株予約権の仕組みとその実際の付与は、他の株主にも負担を強いることになるが、その理由付けとその理由に沿った新株予約権の設計が出来ているか。3番目は、防衛することで会社の金銭的資産が流出して、企業価値を減じる可能性があることに、どう配慮されているか。

 買収防衛策の導入に当たって、企業側の指針としては、2008年6月に企業価値研究会に纏められた“近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方【案】”があるが、買収防衛策の目的は、企業価値、ひいては株主共同の利益を守る為とし、経営者による買収防衛策の運用について、以下の行動のあり方を示している。

①株主共同の利益の確保・向上に適わないにもかかわらず、株主以外の利害関係者の利益に言及することで、買収防衛策によって保護しようとする利益を不明確としたり、自らの保身を目的として発動要件を幅広く解釈してはならない。

②被買収者の資産を買収者の債務の担保とすることや、被買収者の資産を処分し、その処分利益をもって一時的な高配当をさせることが予定されているなど、それのみでは当該買収が株主共同の利益を侵害するとまでは言い難い理由のみをもって、買収防衛策の発動が必要であるとの判断を行ってはならない。

③買収提案の検討期間をいたずらに長期なものとしたり、意図 的に繰り返し延長することによって、株主が買収の是非を判断する機会を奪ってはならない。

④買収提案が株主共同の利益を向上させるものか否かという観点から、買収条件、買収が株主共同の利益に与える影響等の買収提案の内容や、買収者の属性・資力等について、真摯な検討を行わなければならない。

⑤買収条件の改善により当該買収提案が株主共同の利益に資するものとなる可能性がある場合には、買収条件の改善に向けて、買収者との交渉を真摯に行わなければならない。

⑥株主共同の利益を最大化させる買収提案であると判断した場合には、株主総会で株主の意思を問うまでもなく、直ちに買収防衛策の不発動を決議しなければならない。

⑦株主が買収の是非を判断できるよう、買収提案に対する取締役会の評価等について、事実に基づいて、株主に対する説明責任を果たさなければならない。

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