*All archives* |  *Admin*

2017/08
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
株式持ち合い解消への動きと、その受け皿
 ここ十数年来の株式市場を巡る当局の政策や取引所の施策の背景の一つに、株式持ち合い解消に向けた流れがある。上場会社株式の持合状況は、20年前の1991年度に金額ベースで全上場株数の28%もあった銀行・事業会社間の株式待ち合いが、2008年度には8.2%(内、銀行が保有する持ち合い株分は3.2%)まで減少している。(※数字は大和総研調べ。株式持ち合い構造の変化の詳細については、同社“解消に向かうのか、日本企業の株式持ち合い”2009.11をご参照ください。)

 この間、海外投資家や窓販解禁で拡大した投信などが持ち合い解消の受け皿になったが、旧商法で解禁された自己株式取得でも、相当数吸収している。
銀行・事業会社間の株式持ち合いは、敵対的買収行為の表面化や株式市況の回復で2005年度から2007年度にかけて一時的に増加していたが、
○リーマン・ショックによる市場リスクの認識
○金融商品会計見直し・IFRS導入など会計制度上の圧力
○持ち合い株式に対するディスクロージャー強化
などの影響から、再び持ち合い解消への動きが強まっている。
この動きは市場への圧迫要因と見られるが、自社株取得は主要な受け皿として機能しており、買付け数量も企業業績の回復と共に復調の兆しが出始めている。

 株式持ち合いやその解消に対する行政等の動きとしては、開示強化と受け皿対応がある。
金融庁が2月に公表したコーポレート・ガバナンス強化の為のディスクロージャー対応として、本年3月期の有価証券報告書分より【株式保有の状況】で、上場企業に対し、より詳細な保有株式の記載を求める。具体的には、純投資以外で保有する目的の株式で、貸借対照表計上額の上位30銘柄に該当する場合若しくは、資本金の1%以上について、銘柄、株式数、保有目的、貸借対照表計上額 を示す必要があり、この措置により企業間の株式保有は、その保有する目的の明確化が求められる。
また会計制度においては、金融商品会計の見直しにおいて持ち合い株式は時価評価の対象となり、更に現在2011年3月期導入を目指している包括利益計算書では、その持ち合い株式の含み損益も包括利益として把握される為、益出しに利用する意味は薄れる。

 一方、受け皿対応としては、昨年の国会で成立した“資本市場危機への対応のための臨時特別措置法案”
があり、以下の内容となっている。
・銀行等保有株式取得機構の金融機関からの株の買取りは、平成24年3月末まで延長
・銀行等保有株式取得機構の存続期限を平成34年3月末まで延長
・銀行と株式持合いをする会社(子会社分まで含めて)から、銀行株を買取る制度を新たに新設。これも平成24年3月末まで。
・上記の場合、相手の銀行が保有する当該持合いの会社株式について、その銀行が6カ月以内に申し込めば、取得機構はこの会社株式を買取ることができる。
なお、取得機構による株式の取得累計は5月末まで4046億円、取得は10月末まで継続される予定となっている。
また、日銀による金融機関保有株式の買取りも昨年2月から1兆円の枠で再実施されており、この措置は4月末をもって終了している。取得された株式の累計は、3878億円となっている。
上場企業の自己株取得に関する規制も、空売り規制とセットで一時的に緩和されており、
・1日の買付数量の上限について、直近4週間の1日平均売買高の25%を上限として自己株式の買付けを行うこととされているが、これを100%に引き上げる。
・買付時間は、取引所の取引終了時刻の直前30分間以外の時間に自己株式の買付けを行うこととされているが、これを適用しない。
この措置は、7月末までの時限措置となっている。
スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード