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2017/09
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環境問題から期待される市場
金融危機以降、金融機関を見る目は世界的に厳しくなっているが、日本では株価以外はそれ程でもないようだ。未だ欧米に比べて機能的に劣る金融・資本市場に対する改善期待はあるようで、最近政府によって示された成長戦略の中で、総合取引所構想もその一つなのだろう。また、6月15日に環境省の中央環境審議会から、“環境と金融のあり方について~低炭素社会に向けた金融の新たな役割~”という報告書が公表され、環境問題からの金融に対する期待が示されている。その中から、投資や市場機能に関するものを取り上げてみる。

【問題認識】
環境に配慮した投資として次の2つが重要。
○社会的責任投資(SRI):この3月末で、公募SRI投資信託は、88ファンド・約6000億円の運用金額で増加傾向にあるものの、米国の約30分の1・英国の約20分の1と規模が非常に小さい。なお、欧米のSRI投資は、主に機関投資家による。
○環境ベンチャー:環境ビジネスのベンチャー企業は、ベンチャーキャピタルに有望な分野として注目されている。しかし、ベンチャーとしては巨額な設備投資資金を要することやIPOまでの期間が長いことなどから、潜在的資金需要に応えていない可能性がある。

【具体的な政策提言】(投資及び市場関連のものについて)
・個人金融資産を呼び込む為の施策として、環境事業や投資に対する税制優遇(米、仏、蘭などが実施)
・環境ベンチャーへの投資促進策の検討
・年金基金による環境配慮投資の促進の為に、年金に対し、投資の際の環境配慮の方針の開示を求めること(英、独等の事例を参考に)。また、公的年金基金において、その投資判断の際、率先した環境投資への配慮を求めること。
・企業の環境関連除法の開示や提供を促進する為、有価証券報告書を通じた環境関連情報の開示(事業上のリスク等において)や環境報告書による開示の促進。また、情報ベンダー等による環境情報の提供サービスの促進。[ブルームバークによるESG(環境、社会、ガバナンス)レシオの提供(2009)、QUICK環境株価指数、FTSE環境オポチュニティ日本株指数等]
・金融機関などが、環境金融への取組の輪を広げていく仕組みとして、“日本版環境金融行動原則の策定”を行い、環境金融を広げるプラットフォームとして取り組む。(事例としては、1992年に世界の主要な金融機関が国連環境計画と策定した“環境と持続的な発展に関する金融機関声明”があり、現在日本の金融機関18社が署名)

 以上の内容となっているが、率直に言って難しく感じる。それは、上記のSRI投資や環境ベンチャーなど環境金融に対する投資を、企業の行動原則の視点で捉えようとするので、具体的な環境投資増加へのプロセスを想像し難くしている。勿論、金融機関としての行動原則は重要なことだが、これでは目標とする日本の個人資産を環境投資へ向ける行程が見えない。

 環境問題から、本来市場が求められるのは、環境に関する諸々の事象に対する価格発見機能であり、市場取引を通じて、事象や制度の歪みを見直す事ではないだろうか。市場の側から提供できることは、市場の合理性を活用する事だ。例えば排出量取引所構想において、国の制度概要が固まるのを待つのではなく、この4月から始まった東京都の排出量取引制度への積極的関与で、排出量の取引所取引整備を早急に行う、というような具体策が、市場及びその関係者である金融機関が、先ず行うべきことのように思う。
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