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2017/10
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税制改正要望から見える業界の問題意識
 平成23年度の税制改正に関する業界の要望が、6月15日に証券業協会・投信協会・全国取引所の公表されている。個人の金融所得のあり方から、証券会社の事務作業軽減に関するものまで、要望されている範囲は相当広いが、その中で、“貯蓄から投資”という10年来の業界テーマに関するものについて2点取り上げ、その内容と背景となる問題意識について考えてみたい。

 Ⅰ.経済を活性化し国民生活を豊かにするための簡素な投資税制措置
①現行の上場株式等の譲渡益、配当金等に対する軽減措置(10%)を維持すること
②非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得・譲渡所得等の非課税措置(日本版ISA)の制度については、投資者の利便性及び金融商品取引業者等の実務に配慮した簡素なものとすること

[この2つの要望は、最終的に税制改正を決定する財務省の考えからすると共には成り立たない。平成24年から②の日本版ISAの導入は決まっているが、それは①の軽減措置の終了を前提にしている。勿論、業界としては、軽減措置が続いた方が良いが、①か②の選択は、どちらが優先されるのだろうか。旧来の富裕層を顧客とする証券業であれは、①の方だろうが、貯蓄から投資へというテーマであれば、②を捨てることは出来ない。しかし、現在財務省から示されている日本版ISAについて、当初案の5年5口座(一口座100万円限度)案から、試験的取組みということで3年3口座へ縮小されている。もし、英国の様に、この日本版ISAが投資と通じて個人資産を作っていくのに役立てようとするものなら、英国制度同様に、10年10口座で、かつ口座内で一旦売却しても再投資を可能とする制度を、業界として要望していくべきだろう。但し、この制度のシステムインフラは相当掛かる懸念もあり、業界としては手続きの簡素化要望とともに、制度の定着(政策的な)を見極めたいのが現状だ。]


 Ⅱ.金融所得に関する課税の一体化を促進するための税制措置
①幅広く金融商品間の損益通算の範囲を拡大し、通算後における損失の翌年以降への繰越控除を認めること
②特定口座において上記に係る損益通算の対象の拡大措置を認めること
※①、②は実務面に配慮し充分な準備期間を設けること。
③上場株式等及び公募株式投資信託の配当金等について、二重課税の調整を図る措置を講じること
④上場株式等及び公募株式投資信託の譲渡損失の繰越控除について、繰越控除期間を3年間から7年程度に延長すること
※現在行われていない債券等の譲渡益課税も、一体化で課税されることになるが、その場合の激変緩和措置・経過措置を講じること。また私募債や仕組債も損益通算の対象とすること。
※納税者の利便性向上や事務の負担を考慮して、何らかの番号の活用について検討されることが望ましい。

[金融所得一体課税については、平成15年6月の政府税調中間答申において、「金融商品間の中立性を確保し、金融資産所得を出来る限り一本化する方向を目指すべき」とされ、具体的には次の様な考えが示されている。
・金融所得を、勤労所得などと分離して課税する。
・金融商品の種類や所得分類にかかわらず同一の方式で課税する。
・金融商品から生じた収入の総計から、要した費用、生じた損失を控除することで金融所得を算出し、その金融取得に対して比例税率で課税する。
・全体の損失があれば翌年以降に繰り越し、金融所得のみと相殺する。
この前提において、順次取り組まれてきたが、当然Ⅰ.①の譲渡益の軽減措置要望とは相容れない。金融所得一体課税に関して、業界としても引き続き取り組まなければならないが、上記の番号付きの要望より、※印が業界全体の本音に近い様に思われる。]

業態が多様化している為、広く業界の要望を取り入れると、各要望間の平仄が合わないが、その為には、証券税制に関する業界内の議論の積み上げが必要ではないだろうか。
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ジャンル : ビジネス

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