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2017/06
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先行する総合取引所戦略:シンガポール
 市場の方は2番底懸念から、薄暗いムードの中、下値を切り下げているが、多くの市場関係者が前日の海外市場をチェックして自宅を出て、朝、会社において本日の東京市場の行方を見守るとき、先ず目にするのは、シンガポール市場での日経225指数の取引価格である。シンガポール金融派生取引所(旧SIMEX、現SGX-DT)での日本株指数は、8時45分(現地時間7時45分)に取引がスタートする。
 シンガポール市場での日経225指数取引で思い出される1995年に発覚したベアリングス事件(ベアリングス銀行破綻の原因となった)が、ふた昔前の話になってしまったが、取引が開始されたのは1986年と大証の1988年より古い。この取引所である旧SIMEXは、1999年12月にシンガポール証券取引所(旧SEX)と統合されてシンガポール取引所(SGX)として再編されており、再編後のSGXは2008年にはシンガポール商品取引所も取り込み、株式・金融デリバティブ・商品先物をカバーする総合取引所として、日本の新成長戦略である総合取引所構想の1歩先を行く。

 そもそもシンガポール市場は、アジア近隣諸国などの企業や指数など重複上場させることで、アジア市場におけるゲートウェイ機能を目指しており、SGX-DTでは、取引量全体(2009年)の約40%が日本平均先物関係(日経225指数、日経225指数ミニ、米ドル建て日経225指数、MSCI日本指数を含む)、約23%がMSCI台湾指数、約11%がCNX nifty(インド)、と他のアジア諸国の株価指数がベスト3を占める。

 日本の総合取引所構想も、アジアのメイン・マーケットとしての日本市場の実現を目指す成長戦略であるが、シンガポール市場は、そのゲートウェイとして先行している様にも見える。デリバティブ市場の状況は前述したが、現物の株式市場において海外企業は301社と全体(新興市場カタリストを含めた)の約40%を占め、その内半数は中国企業である。また、シンガポール取引所の直近の収入構造(2009年度5億93百万シンガポールドル)をみると、
・国内証券に係るもの・・・収入全体の47%
・海外市場のデリバティブに係るもの・・・収入全体の27%
・アジア諸国など海外企業の証券に係るもの・・・収入全体の20%
・国内市場のデリバティブに係るもの・・・収入全体の6%
と、海外関連が半数近くに迫っている

なお、シンガポールの行政当局であるMSA(シンガポール通貨監督庁)は、取引所戦略において次のことを示している。
○オープンで活気に満ちた市場参加を促進することで、シンガポール拠点の取引及び清算のインフラの機能を図ること。現物市場と先物市場との間で、流動性の向上等の相乗効果を生み出すこと。
○取引および決済に関する統合アクセス・ツールの開発に取組み、時間帯や地域によって細分化されてきた流動性をリンクさせるための共通のゲートウェイの構築すること
○取引所に関連する処理サービスと取り込むことで、取引所のビジネスを多様化させる機会につながること。

 総合取引所構想とは、上記の様な取引所戦略に基づく具体的な戦術があって、初めて実現されていくものと思われる。日本では、取引所の取引速度が世界最速に機能アップしても、それを海外投資家がアルゴリズム取引等で使いこなすコロケーションサービスで、報道されているようなPEリスク(海外投資家が日本で法人課税される)が明確でなければ、海外投資家の取引を呼び込むグルーバルな競争には勝てない。
 総合取引所はあくまでもインフラだが、そのインフラを使いこなすソフトの対応は、官民ともアジアの競争の中にいることを自覚すべき時期ではないだろうか。

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