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2017/09
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新システムから半年経過、超高速化の利用状況
 最近は業界関係の方々からお話をお聞きする際、アジア・シフト関連の話題が多いが、東証の売買代金の水準(6月の東証1部売買代金1日平均は、1兆3700億円で、2005年7月以来の低水準)をみていると、株式取引も本当にアジア市場にシフトするのではないかという杞憂が現実味を帯びてくる。
 しかし資本市場としての取引インフラは、年初の東証新売買システムarrowheadの稼働、来年3月までの大証の新デリバティブ・システム稼働などで、世界最高水準になる。インフラは高性能なのに、取引が減少傾向に感じるのは、取引参加者の問題かもしれない。

 ところで、東証の新システム稼働から半年たったが、超高速化はそれなりの影響をもたらしているようだ。7月5日に公表された“arrowhead稼働後の運転状況について”によると、次のようになっている。
・注文応答時間は大幅に短縮し、2ミリ秒(目標値10ミリ秒)で安定している。
・相場情報配信のデータ量は、新システム稼働前に比べて、3倍以上に増加した。
・全銘柄の平均TICK回数(注文発注数)は、大幅に増加。概ねの平均で200回後半から400回前後へ増加、特に流動性の高い銘柄の急増が目立つ。
・取引所エリア内の証券会社サーバーから機関投資家等が発注するコロケーション・サービスの利用も進んでいるようで、注文発注全体の25%程度まで占めるようになってきた。(シェアの最高値は6月7日の30%、注文件数は5月26日の320万件)
・約定比率は反対に低下しており、稼働前は40%以上だったが、30%程度になっている。(5月以降は更に低下傾向)

 この稼働後半年経過した東証arrowheadは、IT Japan Award 2010のグランプリを受賞したが、その理由は業界へのインパクトとして以下の理由を上げている。(技術面の理由は省略)
①注文受付処理を平均2ミリ秒程度と、従来の約1000分の1程度へ大幅な高速化を行い、注文応答時間の短縮化を行ったこと。
②気配情報の本数を全て気配情報として配信するなど大幅な増大と、平均3ミリ秒程度への大幅な高速化で、相場情報配信時間を短縮したこと。
③コロケーションなど自動売買プログラムによる売買手法の浸透により、マーケットモデルを実現したこと。

 取引システムの高速化対応は、主な目的としては、既にアルゴリズム取引などシステム売買に慣れている海外投資家などの売買を日本の取引市場に取り込むことと、日本の機関投資家などへのシステム売買の浸透にあるが、個人投資家へのメリットも期待できるはずである。
 それは、機関投資家等のシステム売買による流動性の向上などという副次的なテーマではなく、実際の売買取引上のメリットであるべきだが、arrowhead稼働後半年経つ現在、主要ネット証券において、明確に高速化対応を表明しているのは1社だけになっている。確かに、個人がミリ秒単位のアルゴリズム取引を行うことは難しいし、個人のネット取引でミリ秒を可視化することも不可能かもしれない。しかし、発注所要時間を表示したり、個人向け自動売買手段を多く提供しているこの1社の姿勢を評価したい。

 最近、ネット証券の動向に関していうと、商品の品揃えを多くし、投資家の選択肢や、投資選択の為の資料提供など情報量を個人投資家向けに大量に供給しているが、一方、ネット取引等での取引の利便性向上に関して、一服している感がある。この新システムによる高速化対応への個人投資家版の工夫は、ネット証券としてのネット取引そのものに対する試金石かもしれない。
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