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2017/10
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東証の現状と取引時間延長の論点
 東証の第一四半期決算発表が26日に行われたが、4月からの欧州ソブリンリスクの顕在化から、世界的なリスク回避の動きの強まった影響もあって、東証も売買高が低迷しており、営業収益では前年同期比4.6%減の143億円に留まる。低水準の取引の影響もあって全般的には収益面が減少傾向にあるが、その中でもいくつかの変化が起きていて、東証という取引所の今後の在り方を考えさせられるものもある。
 例えば、情報関係収益は前年同期比2.7%増の27億円に増加しているが、これは情報ベンダーや証券会社へのリアルタイム個別情報端末が増え相場情報料が増加したことによる。また、昨年から開始されているコロケーション・サービス(取引所のシステムエリアに、利用者の取引サーバーを設置するもの)の利用料が増加したことで、その他営業収益も前年同期比19%増の18億円になっている。この様に、取引所は単なる取引機能の提供だけではなく、取引関連情報の収益化やシステムや機能の一部を利用者に貸すことで収益化を目指している。

 一方、決算発表の度に問われるのは東証自身の上場問題であるが、現状でも上場規則上は何の問題もない。営業収益は、市況環境に大きく影響されるとは言え、経常的に黒字化する体力を備えている。又、みずほ証券とのジェイコム誤発注に関わる係争も、既に昨年12月の東京地裁の判決をもとに損害賠償等を決算上処理している。ただし、取引所は株式会社化したとは言え、許認可業務なので、自らの上場には当局の許諾が必要になる。

 4半期決算発表と同時に、取引所としての取引時間の延長に関する検討を行うことが公表されているが、上期中に関係者等の意見を集約し、年度内の変更を目指す。各検討事項と、その論点は次の様になっている。

【現在、午前11時から午後0時30分までの昼休みの撤廃又は短縮】
・アジア市場の一部を除き、昼休みが無い方がグローバル・スタンダート
・前引けと後場寄りの板寄せを撤廃した場合の影響
・現物のバスケット取引や指数先物のEFP取引への影響
・VWAP(出来高加重平均価格)利用への影響
・大証と取引時間が異なった場合、NT倍率取引が困難になるか

【現物市場における夜間取引の導入】
・主要国では現物市場での夜間取引は見受けられない
・それでも、デリバティブと同じ様にイブニング・セッションや夜間取引を行うべきかどうか
・単なる取引時間の延長ではどうなのか

【デリバティブ市場におけるイブニング・セッションの取引時間拡大】
・欧米主要国の指数先物・オプション取引では、相当程度シームレスな取引が可能になっている。
・一方、TOPIX先物取引は本年10月にNYSE Liffeに上場予定だが、この事と時間延長の関係は

【開始時間の前倒し】
・主要な取引所の取引開始時間は概ね当地時間午前9時だが、敢えて前倒しをする理由はあるのか。
・現物市場とデリバティブ市場の開始時間は、合わせるべきではないか。
・取引時間の延長に伴い、立会外取引であるToSNetの扱いをどうするか

※以上をどの部分実行していこうが、取引時間の延長と変更に伴うシステム対応や事務処理コストが取引所及び参加者の負担増となって跳ね返ってくる。この為、費用対効果の、どの位メリットが増加するのか効果の方の議論をきちっと行う必要があると筆者は考える。

 また、取引時間の変更を時代や参加者に合わせて行うことも重要だが、新興市場問題・プロ向け市場の開始など、現在の取引システムにおいても改善する事は多い。その為、取引所としての優先順位を決めて実効性のある取引所改革を実行していってもらいたい。
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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

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(非公開コメント受付中)

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とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
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