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2017/10
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投信の乗換えについて
 日本株は余り見込みがないから売って中国株を買う。中国株は少し調整しそうだから、これを売ってインド株を買う。これを個人が行おうとすると、各国株の指数に連動して運用される投信の乗換えを行うということになる。しかし、一般的には投信は販売時の手数料が高く、投信の乗換えは投信の売却・販売を行う証券会社の手数料稼ぎと見做されかねないので、証券会社が投信乗換えを薦める場合には、ちゃんと投資家に説明して、証拠をきちんと残しておかなければならない。また、社内のチェックがちゃんと働くように態勢を整備しておく事も求められる。

 この事について証券取引等監視委員会(SESC=証券会社に対する業務検査も行う)は、最近の証券検査における指摘事項に係る留意点として、投信の乗換勧誘に際し重要な事項について証券会社が投資家への説明を行っていない状況があるとして、次の事を上げている。
○毎月分配型から他の投信への乗換勧誘に際し、売却する投信の大幅な分配金引上げの事実のように、顧客の投資判断に影響を及ぼす重要な事項について、投資家に十分説明する必要がある。
○証券会社の内部管理部門において、営業員による勧誘状況のモニタリング態勢を整備し、不適切な勧誘行為に対する牽制機能を発揮することが求められる。
 勿論、投資家自身が乗換えを求めている場合は、証券会社が勧誘していないという証拠や記録残せば、SESCが留意事項で求める対応は必要ない。

 具体的事例としては、今年3月に処分勧告されたコスモ証券の事案があるが、これは営業本部長による投信販売の営業推進において、ブルベア型の投信販売を推進するにあたり、それ以前に販売注力していた毎月分配型4投信からの乗換え勧誘を組織的に行った時に、次の法令違反行為があった。
・同社では、6か月未満の乗換え提案禁止(投資家が自ら依頼する場合は、乗換えは問題ない)や高齢者に対する勧誘制限があったが、これに対して非勧誘を偽装していた。
・乗換え勧誘に際して、証券会社は投資家に重要な事項を説明しなければならないが、これを実行していない取引が多数あった。
・業務監査部のモニタリング制度はあったが、これが機能していなかった。
この件で同社は行政より業務改善命令を受けるとともに、証券業協会への過怠金の支払い、不当な投信の乗換えで得た手数料の投資家への返還や利益の社会還元措置の実行を求められた。

 ここで再度繰り返すが、証券会社が投資家に対して投信の乗換えを勧誘することが問題な訳ではない。要は、社内ルールに則り、ちゃんと大事なことは説明すれば、問題ないのだ。そのちゃんと説明することが出来ていないとSESCが問題視するケースが本当に増えているのだろうか。

 ちゃんと説明することは、日本証券業協会が証券会社に対して通知した“投信信託等の乗換え勧誘時の説明義務に関するガイドライン”があるので、それを順守していれば問題ないはずだ。証券会社が投資家に説明すべき重要な事項は概ね次のようなものがある。
・売る投信と買う投信のファンドの性格
・時価や分配金などの売却する投信の状況
・手数料や課税関係など、実際売買した場合の投資家の経済的利益に関係するもの 等
又、当然だが、乗換えを勧誘したか、していないかの記録は残す必要がある。

 これらのルールがあるのに、SESCから問題視されるのは、証券会社サイドで乗換えを勧誘する目的に間違いがあったり、乗換えそのものに対する何らかの後ろめたさがあって、ちゃんとした乗換えの手順を順守されていないのではないか、と筆者は懸念する。投資には難しい時代なのだから、投信の売却若しくは乗換え勧誘は、当然あって言いと考えるが、証券会社は堂々と正規の手順を踏んで、投信の乗換え勧誘をすべき時代ではないだろうか。

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