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2017/06
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ネット証券の点景=その2
ネット証券は証券業とIT産業の合いの子であり続けて欲しいというのが筆者の願いだ。勿論、ネット証券といえども金融証券取引業なので、業法に則り登録し、また一部は認可(PTS業務)を受けなければならない。しかしIT企業としての特色を失えば、なんとなく縮小傾向ぎみの業界の中に埋没しかねない。証券業界も最近は少し減って300社(7月末現在)になってしまったが、日本株取引減少が続く中、多くの証券会社が新たな業務展開を模索している。その中にあって、野村のまねは出来なくとも、ネット証券の取り組みで参考になることもある。ネット証券は業界の先導者であって欲しいのだ。
 ネット証券の最近の戦略テーマとして、前回に続き、残りの3社を以下に紹介する。

【マネックスの“知のインフラ”の構築と提供】
 金融とITをベースとした新しい情報インフラとして“知のインフラ”の構築を目指している。この戦略は5年後を睨んだ中期戦略として位置づけられており、投資アドバイス機能の提供による資産獲得で現在4分の3程度の取引手数料の比率を半分程度まで引き下げようとするものだ。
具体的にはアナリストを使った投資情報の提供や投資教育を行うことで、個人投資家へ投資に関する情報を分かり易く提供しつつ、最先端の金融工学を駆使した投資アドバイスツールを提供していく。このツールは、売買タイミングを分析するものと資産設計アドバイスをネット上で行うものだが、どちらもベータ版開発の段階にある。情報の分析をちゃんと行い、潜在顧客層には投資教育を行うっていくというのは、証券業界に長くいる筆者には、正論過ぎて少し照れくさいが、その業界で行うべき当たり前のことを、ネット上で堂々と行っていこうというので、今後の取り組みが注目される。

【楽天の口座数を拡大する戦略】
 この会社の戦略は、証券戦略というよりグループ全体の戦略の中での位置づけになる。その為、グループとの相乗効果を目指すという目標は不変で、口座数拡大を戦略の中心におく路線は続いている。実際、今第1四半期の新規口座開設数は、首位のSBIと変わらない。(口座数は、6月末でSBIが209万口座、楽天が99万口座)また新規口座のうち約4割が他の楽天グループから経由したものだ。ネット証券は、インターネットを使うというのでこの呼称になるが、この会社もSBIも顧客をネットワーク化していき、証券だけではなく、他の金融サービスや物販などでもそのネットワークを活用しようとする戦略が基本だ。その中で、インターネット上の顧客ネットワークに留まらず、証券仲介業の制度を活用して両社とも対面の証券サービス網を整備しようと試みていることも注目される。

【SBIのプラットフォーム戦略】
 どうもこの会社は個性の強い経営者や業界での先行した取り組みを行うことで、野村と多少イメージが重なってしまう。現在の野村の戦略のコアの一つに、業界における仕組み作りに関与していくというのがあるが、SBIの目指すビジネスもネットワーク化や業界の基盤となるプラットフォームを強く意識したものだ。近年、ネット証券だけではなく証券業界全体が、拡大するFX取引への対応を目先の最優先課題として取り組みつつあるが、SBIは、店頭FX取引においてFX取引業者と取引カバー先の金融機関を仲介するSBI Liquidity Marketを、2008年7月に設立している。店頭FX取引における業者間のPTS(取引所的機能を持つ私設取引システム)のイメージが近いだろう。日興コーディアルをはじめ他の証券会社もFX取引業者として参加し、カバー先の金融機関も20社になる。このFX店頭取引仲介会社の前期の営業収益100億円、営業利益30億円は、たいしたものだ。

以上、主要ネット証券の5社の最近の注力していることを1つ選んで取り上げてみた。
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