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2017/10
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今考える新興市場改善策
 前回触れたIPO市場再構築に関して、業界は何もしていない訳ではない。一昨年の10月に新興市場のあり方を考える委員会を立ち上げ、半年かけて議論した結果、昨年5月に報告書を公表している。また市場再構築の為として、次の様な提言をしている。(※報告書原文通り)

① 上場機会の拡充、上場廃止の厳格化
新興市場の信頼回復を図り、わが国経済の活性化を図ることが現下の緊急課題である。このため、市場の活力増加のために数多くの新興企業に上場の機会を拡充するとともに、市場の活力の低下を防止し、上場会社の質を向上させる観点から上場廃止基準の見直しやその適用の厳格化を行う必要がある。
② 上場後のサポート態勢の拡充
上場後の上場会社にとって、適切な法令遵守、適時開示、IR活動が実施できるよう、取引所、引受証券会社等が上場会社をサポートする態勢を一層充実させることが必要である。
③ 機関投資家の投資参加
市場の安定的かつ継続的な発展のためには、市場の流動性の維持・向上や価格発見機能に重要な役割を果たす内外の機関投資家にとって、市場参加しやすい環境整備を行うことが重要である。
④ 市場区分の検討
上場機会の拡充の結果、多種多様な、そしてあらゆる規模の会社が上場されつつあることを踏まえ、市場の位置付けが外部から分かりにくくなるおそれがある。このため、投資家が理解しやすいような市場区分を設け、投資家に周知することについても検討が必要である。
⑤ 市場の再編
新興市場のあるべき姿と取引所経営のあり方は区別して考えるべきであるが、新興市場としての特徴をより明確化するとともに、経営の規模の経済性の観点も踏まえ、必要であれば、新興市場の統合に向けた取引所間の再編を行うことも選択肢として検討されるべきである。

まったくその通りだと筆者も思う。そして、この提言から1年強経った現在、上記の内、一部改善か実現しているものもある。②の上場会社サポートとして、大証は新ジャスダック銘柄を対象にした分析リポートの作成支援の為、一部費用を負担し、大証HP上で一般投資家にレポート公表を12月から行うことを明らかにしている。また、大証とジャスダックの市場統合で④と⑤の一部も実行される。しかし、これだけで本当にアジアの中で競争力のある新興市場が再構築されるのだろうか。上記の5つの提言は、あくまで日本の新興市場における過去数年の問題点解決策にあって、それが日本の新興市場の活性化策に繋がるのだろうか。

同報告書は、投資家・企業双方の資本市場への誘導者である証券会社の取り組むべきこととして次のものと取り上げている。(※概略)
○魅力的な企業の発掘・投資=各地域での発掘・育成の為の社内体制の強化・確立。ベンチャーキャピタルの新興企業投資ファンド組成。
○投資家への情報提供=企業の成長力や魅力に対する情報発信力を高める。
○上場会社サポート=上場主幹事証券は、上場後の一定期間、ディスクロージャーや経営アドバイスに対するサポートを行う。
○販売手法の多様化=新興企業を対象にしたETF組成や、累積投資・確定拠出年金の対象に取り組む。

以上の事も当然必要な取り組みだが、これ等は連携して行われなければ効果が薄い。その為には、それぞれをサポートする専門家を繋げる新興企業サポートネットワークが必要だ。そのネットワークのハブは、協会なのだろうか、取引所なのだろうか。その事について、今改めて検討して欲しい。

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