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2017/09
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平成23年度税制改正要望纏まる=その1
8月30日、金融庁より平成23年度の税制改正要望が公表された。これは、副大臣を座長に「金融税制調査会」が設置され、7月末より3回に渡り関係者による議論が進められ、その結果を金融庁で取りまとめたものだ。税制改正要望にあたっての基本的な考え方は、“6月に閣議決定された新成長戦略を踏まえて、「新金融立国」の実現を目指すため必要な措置を要望する”として、以下の要望項目を示している。

【目的:経済の持続的な成長への貢献】

○上場株式等の配当・譲渡所得に係る軽減税率を延長すること
[公表された主な理由]
・平成24年1月より、本則税率(20%)に戻ることが決定しているが、現在の軽減措置(10%)の延長要望
・配当の2重課税の問題は、例えば法人間の資本調達で、株式による配当よりローンの利子の受取りが有利な状況だが、軽減措置が撤廃されれば、株式の配当受け取りの方が更に不利になるとしている。
・過去の軽減措置の延長は、市場環境の悪化などで、景気回復優先措置から延長されている。
・軽減税率導入後(平成14年)、個人株主数が増加し市場の出来高も増加している。
・軽減税率導入により、高所得者層よりも、むしろ中・低所得者層が株式・投信の保有を伸ばしている。

←筆者コメント
 業界の総意のような要望事項だが、株式市場がこんな状況(金融危機後の2番底探し)の時、何も本則に戻さなくても良いのではというのが多くの関係者の本音だろう。軽減措置を実施したからといって市場が戻る訳ではではないが、少しでも悪材料を除いておきたいという処。業界の人間として気持ちは分かるが、これで本当に日本市場に個人の資金が向かうのだろうか。むしろ今だと個人の資金は投信(ファンド)を通して、新興国など海外に流れ、この措置が日本の株式市場に良い影響を与えることはない。もし、本気で市場対策として考えるなら、日本株及び日本物投信に限り、一定期間の保有を前提に非課税とする措置の方か効果はあると思われる。欧米の事例を基に、証券業界としても、もう少し工夫ある要望をした方が良いのではないか。

○金融商品に係る損益通算範囲及び損失繰越期間の拡大
・前年の税制改正大綱では、債券・公社債投信・預金の利子及び譲渡所得を、現在の源泉分離・非課税から、申告分離方式に本年度の改正で見直しを検討することが決まっている。これは、株や債券・先物などの金融所得一体課税を目指すものだ。
・損益通算期間は、現在3年間だが、この期間を拡大することを要望

←筆者コメント
この措置は元々金融所得一体課税(20%)に向けてのものだが、そうすると前述の配当・譲渡所得に係る軽減税率(10%)をいつまでも続けている訳にはいかない。つまり前の要望と、この要望は本来平仄が合わないものだ。

以上の二つの要望は、証券業界から強く要望されているものだが、日本市場や日本経済に影響を及ぼす証券税制議論を、市場対策・個人金融資産形成の為の金融所得一体課税の両面からもう少し深く行う必要があったのではないか。そうすれは、何故証券税制において税制を軽減する必要があるか、一般国民にも分かり易く、行政も思い切った措置がとれると思うのだが。ここ数年の同じような要望が繰り返されるのでは、少し寂しい。
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