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2017/06
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今、上場企業に望む資本政策
 15年ぶりの高値と言おうか、何だか史上最高値に向かっていそうな円相場で、市場では為替介入の有効性の是非やその可能性について、いろいろ推測されている。普段なら為替の水準に関してコメントしない政府当局でも、為替水準と介入の可能性に関しても言及せざるえない現状である。
 そして企業価値が純資産額を大きく割り込んでいる企業が増加している日本の株式市場。これらの企業の経営者の多くは、自社株式は過小評価されていると言うだろうが、安すぎる自社株に対してもっと積極的に手を打っても良いのではないだろうか。企業経営者自らの株価対策についてコメントし、自社株取得を中心とした思い切った資本政策の実行を望みたい。

 自社株取得の具体的な方法は、金融機関など大株主から実質的に相対で取得するToSTNeT-3など取引所の立会時間外システムによるのではなく、企業が市場から直接取得していく市場買付の方法をもっと活用すべきだ。企業の市場買付に関しては、通常は規制があって、市場取引の4分の1以上を買い付けてはいけないとか、取引終了前の30分は買付けてはいけないというガイドラインがある。これは、企業自らの買付行為が常に他の市場取引参加者より有利な状況で行われるので、株価形成に関する影響度を下げようとするものだ。しかし、現状では空売り規制とともに、このガイドラインの規制は一部停止されていて、企業は100%市場に売り物を買うことが出来るし、取引終了時間まで買い付けることも可能で、これは10月末までの時限措置となっている。(この措置は、市場対策として空売り規制とともに更に延長される可能性もある。)
ただし、この措置を企業が上手に使っていくためには、前段で触れたように企業経営者による株価対策や株価水準に関する積極的な情報発信が必要と考える。この企業自らの情報発信を適時開示で行っていくことは、金融商品取引法の相場操縦規制への配慮にもなる。

 では具体的に行うとすると、どの様な資本政策になるのか。(※筆者の仕事柄、本音はご相談いただきたいが)恐れずに言えば、安く買って高く売ることだ。これをシステム的に行う方法としては、以下のようなものがある。

○自己株式取得資金を調達するために、新株予約権付社債(CB)を発行する。
○新株予約権付社債の行使価額(転換価額)は、経営者が適正と思っている水準まで思い切ってアップする。
○新株予約権付社債発行後から、自社株式を市場買付で取得する。

単純に言うとこれだけだが、実際はもう少し詳細な設計がいるし、その詳細部分は企業其々の環境を勘案すべきこともある。この方法はリキャップCBと言われ、米国などではよく使われる方法で、日本では2008年にヤマダ電機やJFAホールディングス、アサヒビールなどが発行し、本年もテンプホールディングスや日本ハムが発行している。但し、CBの調達資金を100%自社株取得に使うというものは無い。

 一般的なファイナンス論でいうと、潜在株を増やしておいて自社株を買いことになり、違和感を持たれる方々も多いと思うが、自社株式取得が旧商法で解禁されたときから資本の出し入れは実質的に経営者に委ねられている。調達理由の分かりにくい大量の公募増資や第三者割当より、この方は余程株主に理解しやすい資本政策と筆者は考える。

 なお、安く買って高く売った(このCBの場合は、株式に転換することを指す)自社株式の差額は、利益にはならないで、自己株処分差益として資本剰余金に組み込まれ、企業の自己資本を厚くすることに役立つので、株主からみても1株当たりの自己資本の増加に役立つことになる。

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