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2017/07
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米金融規制と金融機関のコーポレート・ガバナンス
10日の振興銀行破綻は、日本での規制緩和と金融改革の一つの挫折かもしれない。最近は別にしても、前回の日本の金融危機後、閉塞感のあった金融界においてイノベーションを標榜することに、業界の賛同者が集まった時期もあった。それが銀行という器を得たあたりから、何かおかしい方向に行き始めたのだろうか。銀行経営の巧拙は別にしても、伝えられるようなら、少なくともその銀行にコーポレート・ガバナンスの機能は働かなかった。

コーポレート・ガバナンスが働かなかったのは何も振興銀行だけではなく、金融危機の発火元になった米金融機関についても指摘されている。この7月の成立した米金融改革法(Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act=ドット・フランク法)の中で、報酬規制を行うことでガバナンス機能を強化しようという部分がある。これは、そもそも金融危機の原因の一つとして、金融機関の行き過ぎた業績連動報酬が挙げられていることによる。CEOより高額の報酬を得ているトレーダーの一か八か的投資行為を非難する向きもあるが、これは少々違うように思う。結局、トレーダーでもCDOの証券化チームでも、それを管理する役員がいて、報酬に関するルールがあるので、この管理と報酬決定ルールが悪かったということになるべきだ。米金融規制改革法のガバナンス強化部分は次の様になっている。

【経営陣の報酬に対す株主投票=セイ・オン・ペイ条項】拘束力はないが、経営陣の報酬およびゴールデンパラシュートに係る賛否を示す(定時または臨時株主総会での)投票権を株主に付与する。
【報酬委員会の独立性】構成員を全て独立取締役にする。
【報酬の取戻し=クローバック条項】会計基準に反する不正確な財務報告に基づき支払われた報酬の払い戻しを義務化。
【当局による監督強化】当局は所属金融機関に関する報酬ルールの制定を義務付ける。
【新しい開示要求】過去の役員報酬と株価の関係、CEOと全従業員平均報酬の比率、保有自社株のヘッジ利益など

 なお、最近公表されている金融規制関係の資料では、“国際的な金融規制改革の動向”(みずほ総合研究所9月7日)が要領よくまとまっているので、参考にさせていただいた。同資料による米金融規制での金融・資本市場関連の主な部分は以下のようになっている。(抜粋)

【ボルカー・ルール】
○銀行グループに対し、自己勘定トレーディングとヘッジファンド・PEファンドへの出資を原則禁止(ヘッジ目的や顧客以来取引などの例外あり)
○但しファンドへの出資について、Tier1の3%以下なら、当該ファンドの受入出資金3%までの金額に限り許可。
○金融機関全体の負債総額の10%を超えるような大規模合併の禁止
【デリバティブ規制】
○デリバティブ取引の中央清算機関での清算を原則義務化
○デリバティブ取引の取引内容の情報蓄積機関への登録を義務化
○清算機関で清算されないデリバティブ取引に対して、資本要件の加重と証拠金を義務化
○金利為替スワップやヘッジ目的の取引以外で、銀行本体がデリバティブ取引をすることを実質禁止
【証券化商品規制】
○売り手に対して、商品信用リスクの5%以上を自ら保有するよう義務付け
○情報開示義務の充実
【信用格付機関規制】
○米SEC内に担当局を新設し、認定格付機関を検査
○格付手法や過去の格付記録等の開示を義務化
○米SECに格付機関の登録抹消権限を付与 

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