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2017/10
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私論、株価対策について
日本の株式市場だけが一人負けしている状況に関して、業界の人間としては危機感を持たざるを得ない。最近は円高と日本株安が連動するような市況なので、いっそのこと円売り介入ではなく株買い介入を行った方が、コストも安く、株にも円にも相乗効果があるのではと、少し乱暴に思ってしまう。本当は政府による株価対策を期待したいが、こちらの方は行政や識者に頼るとして、最近の話題になったことから筆者が可能ではないかと思う処を述べてみたい。(あくまでも株価対策としての可能性であって、実施すべきかどうかではない。)

○ファイナンス規制
 不公正ファイナンス防止の為に、発行済株式総数の25%以上の大規模な第三者割当に関しては、取引所や金融庁(財務局での届出書対応)で実質的なファイナンス規制が6月以降強化されている。時価発行増資は、公募なので一見関係無いようにも思うが、大規模なファイナンスは希薄化を招くことでは同じだ。
 つまり安易なファイナンスによる希薄化を防止する為に、大規模(例えば希薄化率25%以上)なファイナンスに対し、独立委員会の承認や株主総会での決議などを義務付けるか、ファイナンス直後の株主還元策を義務付けて公表させるファイナンス規制を実施する。但し、この規制は、その企業のファイナンスそのものが市場全体に影響のありそう規模(例えば100億円)以上に限定しておく。
 またファイナンス規制は、それを引き受ける証券会社の引受業務の厳格化も含めるべきだろう。早口の日本語で市場の問題点を明確に指摘するモルガン・スタンレー証券のフェルドマン氏によると、欧米の投資家は日本市場に対して怒っているという。一つは調達目的の必要性がよくわからないファイナンス、もう一つがそのファイナンス銘柄がファイナンス公表の1ヵ月近く前から個別に売られる傾向にあること(10月4日ビジネス・サテライト)。つまりファイナンス銘柄に対する引き受ける判断や情報管理に対して、引受証券に対して投資家が怒っているということだ。

○譲渡益課税の軽減若しくは非課税措置
 今の譲渡益課税の軽減措置を続けても、株価対策としては余り意味がなくなっているように思う。勿論、投資全体の譲渡益課税が軽減されることは、業界として好ましいことだが、こと市場対策として限れば、外国株式や日本株に投資しない投信に税措置が取られても、市場対策としての効果はない。日本株及び半数以上の資産を日本株に投資する株式投信に限った方が、株価対策としては効果が期待できるのではないだろうか。ちなみに金融庁のファンド調査によると、152兆円ある投信の運用財産額のうち、日本株に投資するものは47.8兆円31%になっている。ただし投信の最近の販売状況をみると、日本株への投信からの資金流入は更に比率を下げそうだ。投信については、その資金量や販売窓口が多いだけに、日本株投資へ露骨に誘導する為の非課税措置を期待したい。

○公的資金による買い
 この原稿を書いている最中に日銀の追加緩和策が出され、その中に国債や社債以外にもETFやREITを含めた5兆円規模の“資産買入基金”の創設が打ち出されたが、公的資金による嘗てのPKOを言いたかった訳ではない。最近の相場の弱さは昨年の第4四半期に似ているように思う。その当時も日本株だけが特に弱かったが、その背景にはバブル期以来の5兆円規模の時価発行増資が日本の株式市場の需給関係を悪化させていた。本年も昨年と同規模のファイナンスが行われそうだと観測されているが、一般の投資家からみて増資目的(つまりリスクマネーを調達して成長資金に使うという本来の目的)が理解できない銀行や公的セクターの大量ファイナンスは、ファイナンス時点の時価総額が自己資本を下回っている場合、公的年金基金など公的資金を使っての第三者割当方式で調達するというルールを作る。このことを公的資金による買いと言いたい。

 以上3つのことは、今全く議論されていないが、各項目で上げた状況は、日本株の弱い理由として挙げられているので、業界において検討されることを期待したい。

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