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2017/08
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日本のヘッジファンド
 運用の専門家でないものがヘッジファンドを語るのは少し面映ゆいが、資本市場からみた視点として捉えてみたい。まず、日本におけるヘッジファンド(ヘッジファンド的運用をしている投信も含む)は、金融庁のファンド調査によると、昨年度、144本のファンドで2945億円が販売されており、本年3月末時点での運用残高はファンド数357本、運用財産額合計3兆3071億円となっている。この数字は国内のヘッジファンド運用者によるものだが、別の金融庁による投資家サイドに行った調査では、投資家が購入するヘッジファンドの半数強は海外籍となっているので、日本の投資家は前述の数字の倍以上の8兆円近くのヘッジファンドを保有している。世界のヘッジファンド数は、ヘッジファンド調査会社によると本年6月時点で約9000本、運用資産1.5兆ドルに達しているので、日本のヘッジファンド産業は世界全体の2%強ということになり、株式時価総額が7.7%(8月末時点)あることを思えば、まだまだ成長余力はありそうだ。また日本における販売状況は、2006年に行われた調査では、金融機関(48%)、信託銀行(10%)、保険会社(9%)、事業法人(6%)、個人(23%)、その他(4%)となっており、個人向け販売の割合が増加しているが、都市部の高額所得者や地方の事業オーナー会社などの富裕層が比較的纏まった金額で購入するようだ。

なお、一般の個人も買えるヘッジファンド的運用をしている公募投信もあるが、最近の日本の株式市況を横目に、日本株下落を運用方針とするものの運用成績は良いようで、4月末から8月末までの僅か4か月間で4割から7割の運用パフォーマンスを上げている。ただし、これらのファンドはレバレッジを2~3倍かけたもので、旧来の投信のイメージよりはデリバティブに近いヘッジファンドである。

 ところで、ヘッジファンドの名称の由来は、1949年に米国で立ち上げられたファンドにあると言われている。ファンド設立者 は、ロングとショートを適切に組み合わせれば、市場の下落局面において損失を回避でき、結果的にリターンを向上させることができるという仮説を立て、ロングを中心としつつもショートを積極的に活用した株式運用を行った。所謂、ヘッジファンドの代表的なロングショート戦略だが、何かをヘッジ(回避)しながら、レバレッジをかけて絶対収益を狙うわけだから、対象は通貨でも原油でも農産物でも、デリバティブなど取引のヘッジ手段があれば良い。つまり様々な運用形態があるのだが、金融庁は次の様なことをヘッジファンドとしている。
○オルタナティブ戦略を採用。
○レバレッジの利用。
○大きなリスク・エクスポージャー。
○実績報酬を徴収。

 なお、6月に実施された投資家側の本年度の金融商品への投資に対する意識調査(大和総研)では、金融機関はヘッジファンドや国内外のREITへの投資を減らし、不動産私募ファンドを選ぶ傾向を強めているが、年金基金のうち約4分の1は割安なのでヘッジファンド投資を増額するとしている。年金資産のヘッジファンド投資は年々増加しているが、2008年度末では資産全体の5.7%を占めており、またヘッジファンドへの期待は次の様になっている。
・分散投資効果(年金基金の8割)
・絶対収益の獲得(同、6割)
・市場リスクの制御(同、4割)
・低いリスクによる投資(同、2割)

 一般的にヘッジファンドの投資動向は市場の歪み・場合によっては政策の歪みを是正する方向で動くことが多いでの、通常の市場参加者や行政からの風当たりが強くなることがある。今回の金融危機に際しても、危機問題の本質とは関係ないところでヘッジファンド規制の動きがでたが、ヘッジファンドそのものを規制するのは何か為政者の“ついでに”という感がする。今夏に成立した米金融規制改革法案では、ボルカー・ルールとして、金融機関がヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドに出資することを原則禁止している。(実施するのは詳細を決定してからだが、例外的にファンドの出資金の3%以内かつ銀行のTeir1資本の3%以内なら許容される。)
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