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2017/10
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株式取引高速化=日本の現状と米国の問題
取引所の高速化の流れは最早止まらないのだろうが、一般投資家の感覚からすると“少し分からない”という部分が残るのだろう。それは理論的にというよりは、少し感情的なものかも知れない。年初の東証arrowhead稼働により、確かに取引に関する注文執行は早くなった。しかし、ミリ秒単位という取引スピードは、人間には実感出来ないので、高速化対応のシステム及びプログラムに任せるしかない。所謂アルゴリズム取引だが、現在は一部機関投資家や海外ファンドなどしか使えないので、使えない側の投資家からは、高速化取引に対する疑問のようなものが残る。デジタル・ディバイドならぬ超高速取引ディバイドかもしれない。但し、取引の高速化が、市場の流動性向上の為に必要なことは知っている。

 先ず、日本の現状だが、超高速化対応システムの導入を機に、東証は取引ルールを下記の様に変更している。
・付合せ、約定タイミング:3秒に1回⇒即時約定で1秒間に数百回も可能
・呼値刻みの縮小:細分化(例えば、2000円超~3000円以下 5円⇒1円)
・値幅制限の見直し:価格帯により拡大、約15%~20%⇒約20%~25%
・特別気配の更新:気配の更新値幅は、原則として制限値幅の1/10
・連続約定気配の導入:直近値段から更新値幅の2倍を超えて買い上がる場合、その値段に連続約定気配を1分間表示し、板寄せによって付合せ
・合致要件の緩和:一部緩和。喰合いの場合でも直前の約定値段に近い値段で成立。ストップ配分時は最低単位以上の反対売買があれば約定成立
・同時呼値配分ルールの見直し:取引参加者ごとに合算後、1単位ずつ全数を配分

またその影響については、 “arrowheadの稼働後の状況”(東証:10月)によると、次のようなものだ。
○市場全体の注文(TICK数)が倍になっており、特にLargest Cap(Core30)やLarge Cap(Large70)の増加数が顕著
○約定率は低下傾向で、稼働前の40%以上が、現在(9月状況)では30%前後まで低下している。
○ビット・アスク・スプレッドが全体的に2~3割縮小しており、Small Capでも約16%(前年11月と本年8月の比較)縮小
○仲値から50ベーシス・ポイント以内にある注文が増加しており、価格インパクトが低減されている。
特にMid Cap(Mid400)では買い注文が3倍以上、売り注文が2倍以上となっている。(前年11月と本年8月の比較)
○注文の小口化が進んでおり、稼働前に比べて2~3割注文1つ当たりのサイズが低下している。

一方、超高速化取引が半数を占める米国では、5月の“フラッシュ・クラッシュ”の原因が特定されていないため、株式投信からの資金流出が続いているようだ。その為、フラッシュ・クラッシュ時に成立した売買の多くは取り消されたものの、個人の超高速化取引に関する不信感は、取り除かれていないようだ。10月1日にSECとCFTC(商品先物取引委員会)による共同報告書が公表されているが、原因の特定はなかった。但し、主な点につき次の様な報告がなされている。(日本証券経済研究所吉川氏“フラッシュ・クラッシュに関する共同報告書~謎は解けたか~より)
●ETFで著しい数の取引が発生していたことについて、特定のマーケット・メーカーの売買(売りA大手証券、買いB大手マーケット・メーカー)が25%以上あった。また、半数は個人相手の証券会社のもの。
●超高速取引(HFT=ハイ・フリークェンシー・トレーディンング)の大手業者が、フラッシュ・クラシュ時に取引を停止した影響について、全体的に価格操作に当たるような注文の偏りは無かった。また、今まで大量の注文を市場に出してきたHFT業者が、取引を停止したことで、注文数が少なくなり急落を招いたとする説を、証明するものは無かった。
●急落の契機は、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で取引されているEミニS&P500先物指数に、ある特定の機関投資家からの大口の売り注文が継続的に入り、この注文に買い向かった業者のヘッジ取引で、ETFやS&P構成銘柄へ売り注文が出され、それが他の銘柄へも波及したとされる。

 フラッシュ・クラッシュに関して超高速化の影響は認められていないようだが、取引の半数を占めているHFTについて、米国においても、一般投資家には良く理解されていないという状況のようだ。
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