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2017/11
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来年4月から変わる証券市場ルール
せっかくの世界的な過剰流動性相場なのに、日本だけ取り残されているようで寂しい思いをするが、先の国会で成立した平成22年度金商法改正(5月成立)に伴う施行内容が下記の様に明らかになり、来年4月1日から施行される。本年度の改正内容の主な部分は、金融危機対応のグローバルな金融規制強化の流れに沿ったものだが、投資家保護の為の調整的なルール変更も追加されている。

【グローバルな金融規制強化の流れに沿ったもの】
●店頭デリバティブ取引(金利スワップとCDSを想定)等の決済の安定性と透明性の向上の為の清算機関の整備
 金融危機の主因になったCDS取引について、当局による取引実態の把握と危機対応の為、欧米とも清算機関利用の義務付けや報告強化に取り組んでいる。CDS取引実態の少ない日本でも、日本企業の関与するCDSに関しては、清算機関を通じて、当局が取引実態を把握すべきとされ、東証・東京金融取引所それぞれが設立を準備している。ただし、取引量の限られたCDS取引だけでは清算機関として現状では成り立たないとみられ、金融機関間の取引の多い金利スワップも合わせて清算機能を提供しようとしているが、国際間の金利スワップ取引では、既に標準的に利用されている海外の清算機関が存在している。このような事情は、金融機関の取引・決済担当者でなければ分かりにくいが、日本でもCDS清算機関整備を準備するプロセスと見たい。内閣府令では、次のことが決まっている。
・国内の清算機関は、最低資本金 10億円
・清算業務を3年以上行っている海外の清算機関は、国内の清算機関を通じて日本の金融機関の取引の清算業務を行うこと(リンク参入)が出来る
・取引の照合業務や記録業務などを海外の清算機関等が行う場合等、日本の資本市場への直接的影響が軽微とみられるものは、当規制の適用除外
●巨大な金融グループの規制・監督強化
 国際金融・資本市場に影響力をもつ巨大金融グループへの監視体制強化は各国とも行っているが、日本での実施要領が明かになった。
・証券会社の総資産1兆円以上を主要株主規制・川上、川下の連結規制の対象として、グループに対するモニタリング体制を強化し、親会社や子会社への行政処分権限を導入する。
 ただしメガバンク・グループなどバーゼルⅡでの規制対象となるグループは、他の当局により規制を受けるグループとして当規制の対象外となることが出来る。結果、当規制の対象となるのは、野村・大和の両グループになると見られている。
●ヘッジファンド規制
 欧米当局の様に、ヘッジファンドを新たに登録制にしたり、報告強化や銀行の出資規制をすることはない。日本でもヘッジファンドは育ちつつあるが、欧米に比べファンド規模が小さいので、市場への影響力や行為が問題視されることもない。一応、ヘッジファンドは金商法では投資運用者として登録制の対象になっているが、今回、以下の件が追加されている。
・外国投資信託の形式で、国内から直接設定・指図する運用形態は今まで投資運用業の対象でなかったが、これを登録制の対象に加える。

【投資家保護の為の調整的なルール変更】
●個人向け店頭デリバティブ取引に対する不招請勧誘等の販売勧誘規制の強化
 主にCFD取引を対象にすることが既に報じられているが、FX取引や商品先物取引などの勧誘規制と平仄を合わせている。
・不招請勧誘の禁止、再勧誘の禁止、勧誘受託意志確認義務などの対象とする。
●不動産デリバティブ取引に対する規制の導入
 今まで業界であまり議論されていなかったので、多少違和感があるが、不動産価格のヘッジ手段として不動産デリバティブ取引が拡大しつつあるという。(国土交通省マター?)
・不動産インデックス、不動産価格等を参照指標とするデリバティブを業規制・行為規制の対象とする。
●事業型ファンドに対する管理の徹底の為の開示事項充実
本稿でも扱ったが、私募の事業型ファンドで出資金の流用等が証券取引等監視委員会の検査により明らかになったケースが相当数あり、監視委員会から建議を受けていたもの。
・販売時の契約締結前交付書面の記載事項に、具体的分別管理先やその実施状況を追加。

※その他、国内の金融機関やプロ投資家が発注する外国市場デリバティブ取引を、外国業者が受ける場合、規制対象外であることを明確化するとあるが、筆者はこの目的や背景がよく分からない。

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テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

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