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2017/11
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機に乗じて敏に・・・社債市場改革への期待
せっかくのチャンスなのだから、このタイミングでもう少しスピディーに動けないかと期待を込めて書いている。社債市場の改革は業界の永年のテーマであり、誰しもが必要だと思うものの、実際はなかなか進まない。特に流通市場の方の改革は、社債の投資家層を拡大していく上で重要だ。
 チャンスというのは、次の様な社債市場改革の為の好環境が現在揃いつつあるからだ。
・発行市場は昨年(2009年度発行総額10.3兆円)程ではないが、高水準を維持している。
・日銀の追加緩和策の影響で、投資家の資金は、国債以外にも外債や社債に向かっており、格付けの低い銘柄(BBB格以下)にも買い需要は高まっている。
・10月21日に公表された政府の行政刷新会議の重点課題(規制・制度改革に関する分科会が当面検討すべき規制緩和策や整備すべき制度に挙げた約40項目)で、“社債市場の活性化および国際化の推進”が挙げられている。
つまり社債に関する市況環境が良く、市場改革の為の政策支援を望める今の時期こそ、資本市場の懸案の1つであった社債市場特に流通市場部分の改革を一気に進める好機と考える。但し、業界における社債市場改革への動きは、証券業協会での検討が2年目も半ばに入るのに、なかなか慎重だ。

 ここで社債市場改革は何故必要か、もう一度簡単に復習しておくと、欧米が先行しているというだけではなく、日本の社債市場の規模が経済規模に比べて小さく、凡そ米国の6分の1以下の規模しかない。また個人の社債保有が、直接・間接(投信を通じて)合わせても極端に少ない状況にある。個人投資家は、海外のハイイールド債は買っても、日本のハイイールド債は買えないのだ。また平成22年度の税制改正で社債の利子に対する非課税措置はとられているものの、海外投資家の保有も低水準に滞っている。その為、個人や海外の投資家の保有・売買を増加させながら、既存の社債投資家(現在は半数近くが銀行保有)の売買を活発化して、市場全体の規模の拡大を図るためにはどれをどう優先して実行すべきか具体化の検討を進めるべきだ。

 現在、日本証券業協会の“社債市場の活性化に関する懇談会”では、下記の4つの部会に分けて改善対応の具体化検討が進められている。
・第一部会“証券会社の引受審査の見直し等”→発行市場の拡大や発行体への利便性の向上に繋がるもの
・第二部会“コベナンツの付与及び情報開示等”→投資家拡大の為に、発行体の借入れと社債の条件相違の明確化を求めるもの、又はその情報共有について
・第三部会“社債管理の在り方等”→社債の保有者が不利にならないような社債管理の仕組み・考え方の見直し
・第四部会“社債の価格情報インフラの整備等”→流通市場活性化の為に最も重要な社債価格情報の“情報非対称性”を解消し、市場価格の透明性を向上させる情報共有インフラの具体化

この中で前の3つは技術的な問題だが、4つ目の価格情報インフラ整備は最も重要だ。つまり価格情報が分かりにくければ、参加者が限られ市場の拡大が望めないことは明白だ。但し次の事に留意しておかなければならない。
流通市場のブローカーである証券会社にとって、ある程度の情報の非対称性がなければ、ブローキング業務で利益も上げ難し、売買する為のポジションも取り難い。また次の様な意識がブローカーとしての証券会社には根強い。
[社債の発行総額は現在8月末時点で60.3兆円あって、9月の売買高は2.3兆円。これを年ベースの回転率でみると0.46回転になる。これを平均的な発行額200億円で、一般的な売買単位5億円でみると、年18回の売買ということになる。この取引価格を毎日公表することに意味はあるか]
取引情報を多くで共有して、この年18回の取引を数倍に増加させれば良いのでというのが一般的な感覚だが、現在の18回の売買とその収益性を守ろうとするブローカーの同意は難しい。
しかし、社債市場活性化の為には、店頭取引の社債市場においてその中心的機能を果たす社債ブローカーの協力が必要なことも事実なので、ブローカーの証券には高所の判断を求めるよう、経営陣へのアプローチも必要だと思われる。

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