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2017/06
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上場企業の不正事例を内部統制報告書にみる
千に三つというのは、ある種の職業を褒めたり貶したりする以外に、確率論的に不正や犯罪行為に巻き込まれる比率に近いらしい。上場企業においても、不正行為や不正経理は必ず起こるという前提にたって、コンプライアンス強化や内部統制の態勢整備が求められ、昨年の6月をより上場企業は有価証券報告書とともに内部統制報告書の提出が義務付けられている。内部統制報告書は、“財務報告に係る内部統制の経営者による評価”を報告することになるが、最近提出されたその訂正報告書より、下記の様な上場企業の不正行為が明らかになっている。≪内部統制報告書の訂正理由:本年7月~9月分≫

【事例1】
子会社の過年度決算において、売上の前倒し計上等の不適切な会計処理が行われていたことが判明し、平成22年4月30日付で子会社が過年度決算を訂正したため。

【事例2】
○○事業部において、過年度から製品の未記帳出荷、売上計上期の操作などの不適切な会計処理や、架空販売、架空製造、これらを組み合わせた循環取引などの不正行為が継続して行なわれていたことが明らかになった。また、当該不正行為を隠蔽するため、内部統制証跡の偽装や偽装在庫品による在庫数量偽装などが行なわれていたことが明らかになった。

【事例3】
本年度第1四半期の決算作業中、金融機関の残高通知書中に経理部が認識していない銀行口座を発見したことをきっかけとして、総務部長(当時)の職にあった元社員による不正行為が判明したため。

【事例4】
業容拡大の必要性に迫られる中、主要事業であるミドルウェアの開発販売とは全く異なる未経験の異種事業、すなわち広告及びEC事業に、当社グループ内に専門的知識を有する者がいないまま顧問的立場での援助を要請した外部者の主導の下に進出した結果、契約実体の存在が疑わしい取引が行われ、当社のライセンス販売事業も含めて、外部者によって資金が循環するような不適切な取引が行われたことが当該連結会計年度末日後に発覚したため。

【事例5】
当社の連結子会社において、平成22年7月に取引先に対する決裁権限を超えた金融支援や滞留債権の入金消込の操作などによる不適切な経理処理が行われていたことが判明した。また、これは同社元社長及び前社長の独断により行われ、当社にこれらの実態や回収可能性に対する報告義務を怠るだけでなく、事実を隠蔽するため意図的に滞留債権の発生を遅延させるべく不適切な経理処理が行われていたため。

【事例6】
平成22年2月期の特別損失の計上に関して、連結子会社の支店の土地の減損分のうち240百万円が過大に計上されていたことが判明した。これは、平成19年2月期の中間決算において、平成18年6月20日付で連結子会社を当社の持分法適用会社から連結子会社に変更し、当社の連結の範囲に含める際に、土地を簿価から不動産鑑定評価額まで評価減する経理処理を行っていたことを、当社の平成22年2月期の減損処理時に見落としたため。

 なお、上記の事例は、現在企業会計審議会内部統制部会において行われている内部統制報告制度の見直しでの参考資料によるが、2年目に入った同制度では主に次の様な改正が検討されている。
○企業において可能となる評価範囲の明確化・評価方法の簡素化など
○“重大な欠陥”の判断基準等の明確化
○中堅・中小上場企業に対する評価方法・手続等の簡素化・明確化
つまり簡素化・明確化ということで、上場企業の内部統制報告に対する負担感を軽減していこうとしている。それだけ、現状の内部統制報告制度の負担が重いということだが、それでも千に三つは起きる。

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