*All archives* |  *Admin*

2017/10
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
公開企業のトップは自社株価に対するコメントを
高くなったら売却し、安くなったら買い戻す。別にヘッジファンドや個人投資家でなくとも、当たり前の経済行為であって、公開企業の経営者でも親会社でも、又は公開会社自らだって行って構わない。但し、企業の先行きに関する未発表の情報を数多く持つ立場なのだから、株価に影響を与える情報と考えるなら、基本は公開して、計画中など微妙な段階では売買を手控えるのが資本市場ルールの常識だ。また、MBOや完全子会社化などで、その公開会社(公開子会社)を完全に買い取ってしまう場合には、特別のルールが必要になる。現在(12月13日時点で)、TOB(公開買付)が12社進行中だが、その内半数の6社は実質的に経営陣もしくは親会社による公開企業の100%買い取りで、当然だが上場廃止になるので、一般の株主は原則売却せざる得なくなる。その為、TOBの買付価格には4~5割程度市場価格に上乗せして買い取るプレミアムがつくが、買い手である経営陣や親会社は、それでも安いと思い買付けを実行する。

 一連の市場での評価と、経済行為の結果なのだから、止め立てするものは何も無いが、経営陣・親会社と一般の株主の情報の非対称性は、通常の買い手・売り手のそれより格段に大きなものなので、売り手である一般株主への配慮は必要になる。2007年8月に公表されている経済産業省の企業価値研究会によるMBO(経営陣だけでなく親会社による買い取りも基本的に同じ)に関する報告書[正式名称:企業価値の向上及び公正な手続確保のための経営者による企業買収(MBO)に関する報告書]では、
・企業の価値向上を目指したものかどうか
・既存の株主の権利が損なわれないように、第三者によるチェック機能が働くこと
の2つの原則を示している。

 この様なルールはあっても、例えば公開して数年しか経っていないような企業が、MBOや親会社による完全子会社化などを行うに事に、割り切れなさを感じるのは何故だろう。企業の多くの未公開情報を持つ経営陣や親会社が、自社株を安いと感じて、その為にMBOや完全子会社の準備を始めたのは何時なのだろうか。若し問題があれば、MBOに関した一連の裁判や、TOB実行時の第三者委員会の調査で明らかにされるかも知れないが、その事は一般の株主にとって結果如何に関わらず新たな投資判断の機会と時間を失わせるものだ。

 そこで提案したいのは、公開企業の経営者・親会社が、自社株価若しくは上場子会社株価に対してコメットを行うことを義務付けることだ。
自社株が安いか高いのか、概ねどの位の株価水準を目標とするのか、自社株と何か別の指標(競合他社株)を比較しているのか。勿論、この様な経営者の自社株に対するコメントは、IRなどで企業から発信されることもあるが、まだまだ一部の範囲に留まる。これを、決算短信などの取引所での開示制度で対応しては如何だろうか。このコメントで、一般株主や個人投資家は経営者の自社株価に関する考え方を知ることになる。また親会社の上場子会社に対する株価コメントも、一般投資家にとっての一方的な子会社上場政策を牽制することにも役立つ。
 公開会社の経営者なのだから、自社株の水準に関しては日頃から強く意識(今時、株価は市場に聞いて欲しいという公開企業の経営者はいないと思われる)しているだろうし、株価に対する割安コメントがなされれば、企業の自社株買いを促すことにもなる。

なお、自社株価コメントする経営者に対する政策的サポートも必要で、この株価コメントが経営者個人の損害賠償責任の対象とならないことの明確化も必要だろうが、議論と試案は法制審議会にお任せしたい。
スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

No title
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます。
ありがとうございます。
最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード