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2017/11
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個人投資家の相場操縦行為について
インサイダー取引の摘発の増加も目立っているが、今年は個人投資家の相場操縦に関する事件が明らかにされることも多かった。21日に、証券取引等監視委員会よりインスペック(東証マザーズ6656)株式の相場操縦行為に対して摘発が行われ、課徴金納付命令(実際行うのは金融庁)の勧告がされている。
違反者に対しては、個人の相場操縦としては最大金額となる1864万円の課徴金が課せられるが、違反行為の概略は次の様なものだ。

・違反行為を行う前に、既に1573株を保有していた。(保有株の取得価格は、2万8190円(保有株の91%)から3万6400円まで)
・2009年7月23日から29日までの5営業日の間、大量の成り行き注文を発注して高値で約定させたり、直前約定価格より高値で売り買い注文を同時発注して株価を引き上げ、同社株式を2万8000円から3万6800円まで引き上げた。この間の買付株数は161株、売付株数は137株。
・以上の行為は、金融商品取引法159条第2項第1号=相場操縦行為等の禁止:売買が繁盛であると誤解させる行為又は相場を変動させるべき一連の売買行為に当たる。
・違反行為中に売買したものは、137株でこの分の課徴金は、47万円
・結果的に保有している株式に対しても、何らかの経済的メリットを受けた分のペナルティとして、違反行為後の1ヵ月間の高値(4万円)と買付代金の差額を課徴金とされ、この部分が1817万円で、合計して1864万と個人としては過去最高額となっている。
・なおこの株主は、インスペックの主要株主にあたり、かつインスペック自体は債務超過で株価の低迷からマザーズの時価総額基準に抵触する可能性があった。

また、本年摘発された事件としては、次のものがある。
●20代会社員:小池酸素(2008年12月~2009年2月)高値形成を狙っての大量の買い注文=課徴金54万円
●30代男性2名:バリューコマース(2008年10月)直前株価より乖離した値段で売り注文と買い注文を同時に発注する方法で株価を不当に上げ下げ=課徴金95万円と26万円
●40代男性:スズケン(2009年5月~6月)見せ玉を使って、売りまたは買い圧力が強まっているように見せる行為を繰り返し行う=課徴金159万円
●会社員=タウンニュース(2008年11月)自社株での高値形成を狙い実勢よりも高い値段で、買いと売りの注文を同時に出す=課徴金25万円

なお、相場操縦行為の類型は次の様なものがある。
【仮装取引】権利の移転を目的としない取引を行い、現実の取引と区別することが出来ない記録上の取引を作出する行為
【馴合い取引】売り手と買い手があらかじめ通謀のうえで、取引またはその申込みを行う行為
【現実の取引による相場操縦】取引を誘因する目的をもって、取引が繁盛であると誤解させ、相場を変動させるべき一連の売買行為
【不実な表示などによる相場操縦】取引を誘因する目的をもって、重要な事項(投資判断に影響する)について虚偽や、誤解を生じる表示を故意にすること。
【見せ玉】約定する意思がないにも係らず、市場に注文を出して売買を申し込み、約定する前に取り消す行為
 以上の相場操縦に違反した場合、刑事責任(懲役10年以下、個人としての罰金は3000万以下、法人の罰金は7億円以下)民事責任、課徴金などを負うことになる。

 相場操縦行為は、その目的が問われるが、実際の売買にあたり、その検証をしていくことが難しい場合もある。また、売買システムや手法の変化で行為の手口も変わってくるだろう。例えば、米国ではファンドがCDS(信用ディリバティブ)や信用情報を活用して空売りをしたケースも明らかになっている。健全な日本市場を守る為に、証券取引等監視委員会の機能に期待していきたい。
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