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2017/06
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新興市場:マザーズはどう変わるのか
日本の新興市場はどう変わろうとしているのか。多くの投資家は、あまり変わらないと思っているかも知れない。また、市場関係者の多くは、こう変えなければならないと考えている。そもそも新興市場問題とは、何だったのか。先週、21日の東証の斉藤社長の定例記者会見時に“マザーズの信頼性向上及び活性化に向けた上場制度の整備”が公表されているが、その対応策から、何が問題だった見直してみたい。
※規則改正分は、来年3月を目途に変更

○市場の信頼性向上に向けた施策⇒つまり、新興市場が投資家の信頼を失うようなことをしたという問題に対して
・財務諸表の信頼性向上の為の対応⇒つまり新興企業での売上高や利益で、虚偽記載が数件あったという問題
→つまり新興企業の財務諸表監査にも問題があるとして、これを行う監査法人は、日本公認会計士協会で認(登録制)められた上場企業向け監査法人=“上場会社監査事務所”であることを、東証はマザーズ上場会社に義務付ける。
・上場審査の実効性向上のための市場関係者との連携強化⇒つまり、おかしな企業を上場前にシャットアウトする為の仕組みが問題あると言っているが、この事は本当の関係者以外分からない。少なくとも投資家は理解できない。
→主幹事、監査法人、財務局と東証の情報共有を要請するとともに、主幹事や外部機関などあらゆる方法で情報を集めるとしている。
・市場コンセプト明確化のための対応⇒簡単に言い切ると、新興市場なので、上場企業が新興企業でなくなった場合、どうするかという問題
→上場廃止基準を厳しくして、成長力がなくなったり、当初の事業コンセプトが難しくなった企業に退場を促す一方、上場から10年経った企業は、原則、東証1部や2部への移行で新興市場を卒業させる。

○流通市場の活性化に向けた施策⇒つまり、多くのIPO銘柄が、上場当初数か月間は売買が盛り上がるものの、その後取引が長期に渡って低迷する傾向が強いことに対して
・アナリスト・カバレッジ拡大に向けた取組み⇒新興企業のアナリスト・カバー率が1割未満となっている現状の問題
→大証の様なアナリスト・レポートのプラットフォーム構想は見えないが、一応取り組んでいくことを東証は表明
・上場後間もない会社のIR支援⇒この部分を正直に書くと、上場間もない時は、IR対応はそれほど悪くない。しかし、上場後、業績が低迷し始めると、途端にIR対応が悪化するケースが多い
→アナリストや機関投資家を対象にした合同IR説明会開催や、IR助言ザービスの活用支援を東証が行うとしている。

○新規上場の活性化に向けた施策⇒今年のIPOは22社で、昨年の19社より増加してはいるが依然低水準。
・市場コンセプトに即した上場審査手法の導入⇒上場直後を株価のピークに、その後の株価の低迷に入る新興企業が多いのは、上場審査時期に合わせて企業業績がピークになっているような懸念がある。
・上場審査プロセスの効率化の為の対応策⇒今のプロセスでは、主幹事が一旦審査したうえで、自らの推薦書を添えて新興企業の上場審査が開始される。また、取引所の審査期間は一定でないことから、全体として上場審査プロセスを明確化して短縮していくことは好ましい。
・遡及監査の実施にむけた環境整備⇒現在、上場準備期間は最短でも2年半かかると言われているが、これは2年分の監査証明が必要な為。上場申請時に過去分を遡及監査できれば、準備期間を1年程度まで短縮できる可能性がある。しかし、これは法改正が必要にも思うが。
・未公開ベンチャー企業に対する上場支援の強化⇒実施した方が良いかもしれないが、東証には申し訳ないが効果は疑問。それよりも、市場誘導者として証券会社以外の金融機関や専業者を認めても良いのではないだろうか。

 以上、一つ一つの施策は正しいと思われるが、新興市場対策としては何か合成の誤謬的な罠に入っているように思われて仕方がない。但し、この問題は取引所だけの問題ではないので、新興市場活性化策は、国家戦略として検討して欲しい。
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