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2017/07
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上場会社も日本の資本市場機能強化に協力を
昨日は経済界が期待する日本の資本市場のあり方を取り上げたが、経済界というより上場企業に対して、それ程のコストがかかる訳ではないので、出来れば協力要請を、出来ない分は期間を決めて、上場規則化すべきだと考える点が二つある。

 一つめは、議決権電子交付プラットフォームへの参加だ。先ずこれは何かという説明をしたいが、株式の直接の名義人にならない国内・海外の機関投資家が、自らの議決権を行使しやすくする仕組みで議決権の電子投票にも対応している。東証の言葉を借りると、ICT を駆使して株主総会実務に関わるすべての関係者(議決権行使指図権を有する実質的な株主を含む。)をネットワークでつなぐことにより、株主総会の議案情報の伝達、議決権の行使及び議決権行使結果の集計をストレート・スルー・プロセッシングで行う証券市場のインフラということだが、その効果は、
①招集通知の発送から総会開催までの総会期間中、議決権行使結果を毎日確認すること
②総会期間中、議決権行使結果を踏まえて投資家に対して効果的に追加情報を発信すること
③投資家の実質的な議案検討期間の十分な確保により株主サービスを充実させること
④電子投票の高い利用率を実現することが可能
とされている。上場企業にとっては、議決権の行使率が上がるとともに、内外の機関投資家の投票行動をサポートすることで、ガバナンスの向上及び機関投資家の投資行動を容易にする効果も期待できる。
しかし、このプラットフォームへの参加は、現在372社(1月13日時点)に過ぎず上場企業に1割にも満たない。この制度は実質的に2006年から始まっているが、低加入率は何故か考え直す時期にきているのではないだろうか。現状だと、新たにプラットフォームに参加する企業は、総務担当者の多少の手間が増えることと、このプラットフォームのコストを負担しなければならない。このコスト負担を誰が負うかよく議論した上で、強制加入も求めるべき時と考える。上場企業にとっても上記のメリットとされること以外で、昨年から始まっている議決権投票結果の公表にも役立つことをアピールすべきだ。

 二つめは、J-IRISS(ジェイ・アイリス:Japan-Insider Registration & Identification Support System)への参加だ。このシステムは、上場企業の役員情報を上場企業自らが登録することでデータベース化し、証券会社が定期的に自社の顧客情報と当該データベースを照合確認することで、不公正取引の未然防止等に活用する。運営は日本証券業協会が行うが、システム構築の数十億円の費用は所謂ジェイコム基金の一部で賄われた。この様なシステムは、海外市場にはないようだが、その分欧米のインサイダー取引に対する罰則は懲役刑や懲罰的罰金刑まで含めた厳罰主義で、日本市場はインサーダー規制が甘いと指摘されている。
現在、同システムへの加入社数は1786社で上場企業の半数に満たない。このシステムへの参加も強制的に行うべきだと考えるが、上記のプラットフォームと異なり、上場企業の費用負担はない。では、何故加入が頭打ちなのかという理由として、個人情報を盾にとり社外・外人取締役の理解が得られないとか、役員の株式取引を禁止しているから大丈夫という理屈があるようだが、全くナンセンスだと思われる。
TOBやM&Aの増加で、企業はインサイダー情報管理に益々労力を割かなければならないが、若し同システムへの不参加の理由が、提供した個人情報の証券業協会での管理に問題があると感じる企業があるなら、業界をあげて未参加上場企業に対して理解を求めるべきである。その為には、証券会社の従業員情報は当然として、弁護士・公認会計士・印刷会社・報道機関などインサーダー情報に接する人々の同システムへの登録も義務付けるべきである。
上場企業の役社員も、証券を始めとする資本市場に携わる人々も、株式の取引を避けるのではなく、正当に株式取引を行う為にも、同システムを有効活用して日本市場の信頼獲得の取組みとして制度化すべきことと考える。少なくとも、資本市場に関係する者が、株式取引を避けざる得ない市場は、不幸な市場だし、アジアのメイン・マーケットにもなれない。
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