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2017/09
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公募増資の仕組みを、やさしく考えてみよう=その1
公募増資というものを、株主や投資家の視点からやさしく考えてみたい。個人投資家にとっては、公募株など取り扱っている証券会社も限られているし、購入も面倒そう(ワンクリックで出来ない)と感じるか、公表から値決めまで株価が下落することが多いので、最近の流行(?)として、短期で空売りする対象としてみるか。だいたい年間4~50件程度で、余り気にすることもないとおっしゃる投資家が多いかもしれない。しかし、ここ2年は公募増資の資金調達ベースでは、バブル期並みの年間4~5兆円調達するので、1件当たりの公募増資は、大型化しているし、既存株主の希薄化の問題も大きくなっている。
大型公募増資は、数千億円単位で市場から投資資金を吸収するので、その銘柄の需給関係だけではなく、業種全体へも影響を与える可能性もある。そんな中で、証券会社が引受けて販売するのは何故かというと、リスクマネーを調達した企業が、新たな投資を行うことで成長が加速し企業価値を高めることを期待するからだ。昔の話になるが、バブル期までは公募増資と言えば買い材料だったのは、投資家の企業に対する成長期待が強かった為だ。その公募増資は現在どんな仕組みで行われているのか。最近の大型公募であるりそなホールディングス(8308)を事例に考えてみたい。(※本稿は大型公募の仕組みを解説する目的で、以下を記述するので、投資を勧誘したり売却を薦めるものではない。)

○投資家・株主にいつ知らせるか
 取引所の適時開示ルールでは、決まったらすぐ開示してくださいということだが、公募増資は準備期間が必要なので、それほど明確に対応できない。つまり、企業が公募を決めてから、2ヵ月程度の引受証券の審査期間などを経て公表され、この間、関係者はインサイダー情報を保有していることになる。この様な状況を避ける為に、先に公募増資をすること宣言して、その後、実際の増資の詳細を決めてから改めて公表する方法が取られることがある。りそなHGの場合、昨年11月5日に発行登録をすることで、公募増資の大まかな内容を市場に伝え、増資の内容が固まった1月7日に、その詳細を公表している。昨年夏ごろから欧州投資家などが大型公募増資に関する情報管理問題を指摘しているが、りそなHGの様に、準備段階で発行登録を使って概要を株主・投資家に伝えるのは、いい方法だと筆者は考える。但し、発行登録する前にも情報管理は厳格であるべきで、増資情報は企業内に留めるべきだろう。

○いくら資金を調達すべきか
 企業が調達したいだけ行うべきだが、実際には市場での流動性や市況環境などを考慮して決められる。当然だが、希薄化の影響を受ける既存株主にも配慮すべきだが、定款に定められる授権株数内であれば会社法・金商法上調達を制限する規則はない。りそなHGの場合、既発行の普通株数を超える公募株が募集されるので、既存株主は増資後持分が半分以下になる。この既存株主の理解を求める為にも、調達した資金の使い方を丁寧に説明していくことは必要だ。既存株主にとっては、希薄化に耐えて株主で居続ける理由が必要で、増資企業は企業価値が向上する可能性があることを示すべきだ。公募増資の資金はいったい何に使われて、どの様な効果を生むのか。りそなHGの場合、全額が公的資金の返済に使われるが、実務的には、公的資金が保有する優先株の買戻しに使われる。公募増資詳細の公表時資料では、優先株には高配当が必要で、将来には今回の公募株数を上回る普通株式に転換される可能性があることが記載されているが、今回の公募で資本コスト面が改善されるのは分かる。今後、りそなHGは、公的資金がなくなれば経営の自由度が増し、更に企業価値が向上していくストーリーを株主や投資家に示す必要がある。


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