*All archives* |  *Admin*

2017/10
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
取引所のデリバティブ戦略と個人投資家=東証編
元々デリバティブは、リスクヘッジやレバレッジ投資を目的にしているので、売り手・買い手は相対で条件を決めて、それを契約書におとすというのが基本だった。その為、一定の取引規模が必要でもあった。しかし、取引の利便性や決済リスクの改善を図る目的で、取引内容をある程度定型化し、取引所に上場することで、価格情報が広く知られるようになり、取引も小口化され、個人投資家の取引参加も可能となっている。上場FX取引、日経225mini、日経平均オプション、ミニJGB取引、株価指数証拠金取引(上場CFD)などは、個人が取引所の機能を使って行うことが出来るデリバティブ取引だが、各取引所は個人投資家も参加可能なデリバティブ取引を強化しようとしている。先ず東証の動向から取り上げたい。

【東証の指数連動証券(ETN=Exchange Traded Note)と個別株オプション(かぶオプ)】
 東証は28日の社長会見で指数連動証券の上場制度を4月までに整備・導入することを公表している。ETFが現物や投資対象に連動するファンドなどを原資産として運用されているのに対し、ETNは裏付資産がなくとも上場可能となる。同じ指数に連動するETFでは、対象とする指数のレートとETF自体の価格に関する差が発生(トラッキイングエラー)することがあるが、ETNはこの様な原資産を持たない為、より指数に連動させることができる。基本的なスキームは次の様になる。
・ETNの発行者が、対象とする指数に連動した価格でETNを償還・買収・設定することを保証する。
・投資家は常時、償還・買収・設定を発行者に請求することが可能。
・このETNは、日本型預託証券(JDR)の形式で発行され、東証に上場される。
・マーケットメーカーが流動性を供給。
 このスキームを簡単に言い切るなら、ETNの発行者が常時指数に連動した売買を投資家に保証するのに近くなるが、取引所での流動性を確保するためにJDRの発行が必要になる。ファンドなどの原資産を持たない為、運用管理費用が低廉で、かつ少額資産での運用も可能とされている。また、理論的には指数は対象が何であっても可能なのだが、東証は海外株指数から始めるとしている。投資効果としては、上場された指数CFDに近いかも知れない。投資家にとっては、コスト安と指数への価格との連動性強化のメリットがあるが、このETN発行者は実質的に投資家の売買に向かうことになるので、発行者の信用情報というものが非常に重要になってくるとみられる。この事もファンドとして分別管理されるETFとは大きく異なる。東証のルール案では、発行者は次のように制限されている。
・純資産が5000億円以上の金融機関
・自己資本比率が8%以上(証券会社の場合は、自己資本規制比率が200%以上)
・信用格付けがA-格以上
・発行するJDRの総額が、純資産の25%以下
・開示義務は、ETNとしての日々の開示以外に、発行者として信用情報に影響することを中心に適時開示が求められる。

 もう一つは、個別株オプションのリニューアルだ。現在、東証の個別株オプションは、その対象銘柄が153(株式142銘柄、ETF3銘柄、REIT8銘柄)あるが、プット・コールの別、限月の区分などで9000以上の取引価格がある。個人投資家にとっては、この価格情報を適時・適格に整理して入手することが難しかったが、東証の先物オプション・システムの更新で、個人向けにも価格情報が提供しやすくなるという。これを受けて、オンライン証券4社が順次個別株オプションの取扱いを個人投資家向けに始めることが公表されている(取扱開始時期:3月=インタラクティブ・ブローカーズ証券、4月カブドットコム証券、6月以降SBI証券、岡三オンライン証券)。愛称も“かぶオプ”と名付けられ、東証は個人投資家向けのプロモーション活動を行っていくとしている。

スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード