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2017/10
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ETFの増加について
X-JAPANではなくて、EX-JAPANとは3月に上場を予定されているETFの名称の一部だが、日本を除く世界の先進国23カ国と新興国21カ国の株式市場のパフォーマンスを総合的に指数化したものに連動する。日本を除くというところが、何か寂しくも思われるが、既に日本株ポートフォリオを持つ年金基金や機関投資家に利用されている指数だ。このETFで、東証に上場されるものは99銘柄になり、上場数はアジアトップで、一年前は71銘柄なので4割近い増加だ。また、昨年10月からの日銀による包括的な金融緩和策において、日本株指数に連動するETFの4500億円の買入れ枠が設けられ、昨年12月から既に288億円(1月末まで)取得されている。

しかし、これだけ注目が集まるETFなのだが、東証におけるETF全体の出来高は、年間ベースでみると余り変わらない。何故か考えるのが本稿の目的であるが、その前にETFの概況を見ておくと、世界の主要なETF取引は次の様になっている。(上場数は1月末、東証の昨年の出来高はドルベースで249億ドル)

・ニューヨーク取引所:銘柄数1143、年間売買代金4兆1644億ドル(東証の167倍)
・ロンドン取引所:銘柄数1273、年間売買代金2431億ドル(東証の9.7倍)
・ドイツ取引所:銘柄数764、年間売買代金2047億ドル(東証の8.2倍)
・香港取引所:銘柄数72、年間売買代金778億ドル(東証の3.1倍)
・上海取引所:銘柄数14、年間売買代金621億ドル(東証の2.5倍)

つまり、日本のETFは銘柄数こそアジア1位になっているが、取引量では中国勢に大きく劣っているし、欧米勢には遠く及ばない状況だ。実際の東証におけるETF売買の約3分の1は証券会社の自己取引(マーケットメークに類した行為を含む)だが、委託された分の投資家別売買高(口数ベース)の昨年のシェアは、
海外投資家=51.2%
個人投資家=29.9%
国内機関投資家=9.3%
事業法人等=6.1%
となっており、期待された個人投資家は東証の株式市場のシェア並みだし、機関投資家の内の投信会社分に至っては0.3%という状況だ。

ETFは、何等かの指数に連動する投信なのだから、インデックス投資を重視する機関投資家の売買がもっと活発であるべきだし、まして投資会社は自らの同種のインデックスファンドとの裁定取引を行っていくぐらいの売買活動があっても良いように思われる。流動性が低いから売買しないのか、売買しないから流動性が低いのかの鶏・卵議論を避ける為に、次の3つの視点から考えてみたい。

○仕組みの問題=簡単に言えば、指数に連動する投信として、ちゃんと連動した市場価格で売買できるが問題になる。例えば、中国株指数連動ETFがあるとすると、ほぼ東京市場の時間と重なる中国市場の変化が、このETF価格にリアルタイムに反映されているか如何か。もし投資家が反映されていないと考えるなら、同様のETFを上場している香港市場に投資ニーズが流れる可能性がある。投資家にとって、対象とする指数と連動した売買が希望する金額で出来ることが重要だが、その為には市場価格と指数の乖離をリアルで把握したいというニーズがある。このニーズに応える為、東証は3月よりETFの一口あたり推定純資産額(インディカティブNAV)を、ほぼリアルタイムである15秒間隔で算出・配信を行うこと決めている。

○市場取引者のインセンティブ=市場価格と指数で示される理論価格(上記のインディカティブNAVに相当)の投資家による裁定取引が行われることが流動性の増加の為には望ましいが、先ず直接市場参加する証券会社のETF裁定取引行為に対し、一定期間取引所コストを軽減するようなインセンティブを与え、裁定取引を活性化すべきではないだろうか。

○市場仲介者のインセンティブ=個人投資家のETF投資を推進する為には、この部分が重要だと考えるが、証券会社にとっては少し難しい問題かも知れない。つまりETFは上場された投信なので、もし証券会社にとって新規に販売しようとする投信と同様の投資効果があるETFがあっても、投資家を導くインセンティブが少ない。投信と上場投信(ETF)。証券会社にとって収益性が現状は大きく異なるが、もしETFの方のメリットがあるとすれば、投資家の(短期)売買が自主規制ルールなどで規制されないことだ。このメリットを生かす為には、個人営業現場における投資助言態勢が必要になるが、現在のSMAやラップ口座と異なるインデック投資に対する投資助言サービスが生まれることを期待したい。

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