*All archives* |  *Admin*

2017/07
<<  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  >>
自社株買い+CB発行=リキャップCBを支持する
CB(転換社債)を資本調達手段として見れば、CBを発行して、その調達資金を自社株取得に充てるというのは、何か資本を右から左へ出し入れする様で違和感があるかも知れない。しかし、自社株買いから先に考えれば、企業は自社の株価を割安ということを表明している事になり投資家にとって歓迎出来るし、将来株価が上昇すれば、
・自社株取得⇒金庫株⇒CBの株式への転換時に放出
・自社株の取得価格と転換価格の差額は、資本準備金として資本を厚くする
といった効果もある。
もし、株価が転換価格まで上昇しなくとも、CB発行により低利で調達した資金で自社株取得することで、ROEやEPSなどの資本効率を上げ、株主にとってはメリットがある。
何より評価できるのは、リキャップCBを発行することで、発行を決議する企業経営者の自社株の適正水準を表明するに近い効果はあるということだ。

 2月17日、ヤマトホールディングス(9064)は300億円(2400万株)のリキャップCB発行と共に、300億円の自社株取得を公表したが、実際の自社株買いは18日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で50億円(400万株)、残りは1年内に取得されるという。発行を予定されるリキャップCBの概要が次のようなものだ。
○CBは5年債で、利率なしのゼロクーポン⇒財務的負担が少ない
○CBの転換価格は、1850円で直前時価に対して40%アップ。
○CBを株式へ転換する際の条件として、株式の時価が転換価格の120%以上をある一定日数以上上回らなければ転換出来ない条項が付いている。⇒現在の株価推移からみれば、転換されにくい。
また評価されるべきは同社の開示スタンスだが、最初に【CB発行の背景としての同社の経営戦略】があって、次に【同CBの資金使途】が明確に記載され、そして【CB発行と自社株取得の狙い】で同社の資本政策が明示されているので、株主や投資家にとって同社の資本政策が理解しやすい。
但し、リキャップCBのスキームが上記の様な120%転換制限条項が付されているので、オプションを活用しなければ同CBの投資効果は分かり難く、個人投資家向けではない。その為に、同CBは欧州のファンド等に販売される。

 少しもったいないような気もしている。リキャップCBの様な資本政策が日本の資本市場でも根付く為には、発行会社・株主・CBの投資家の3者にメリットがあること理解される必要がある。その為、日本の同CB投資家を開拓すべきだが、その為には次の様な方法がある。
◇個人投資家にもスキームメリットが理解できるよう、株式への転換条件を単純化する。そうすると希薄化が起きやすくなるが、同CBを既存株主が優先的に応募できる方法(株主優先募入)で行えば、既存株主の経済的デメリットは小さいものになる。
◇スキームはそのままとし、代わりにオプション利用に慣れた国内機関投資家のみに販売する。そうすることで、国内個別株オプション市場が拡大するし、オプション利用の機関投資家の増加にも繋がる。

 同CB発行に関しては、発行する会社の開示の在り方や既存株主への配慮は申し分ないと思うが、同CBの発行を国内でも行えるような市場仲介者の努力が日本市場でも待たれる。
スポンサーサイト

テーマ : 証券・金融関連業務
ジャンル : ビジネス

Secret
(非公開コメント受付中)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール

ポーラスター

Author:ポーラスター
2009年1月スタート

最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
参考文献
QRコード
QRコード