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2017/11
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M&Aというビジネス=大手金融機関編
M&Aという言葉ほど金融機関の法人営業に携わる人達をときめかせるものは無いだろう。彼らはディールという言葉を使うが、そのディールは何十というアイデアと提案の中から、企業が興味を示したものを、数か月、場合によっては数年かけて成立させようと努力する。そのM&Aは、ウィキペディアによると次の様に定義されている。
「M&A(Mergers and Acquisitions、(合併と買収)の略、エムアンドエー、エムエー)とは企業の合併や買収の総称。他の企業を取得しようとする際には買収者やその子会社などに吸収合併させるほか、買収先企業の株式を買収して子会社化する手段が用いられることからおよそ企業の取得という効果に着目して合併と買収を総称するものである。」但し、実際のM&Aの形態は多様で、合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式公開買付・業務提携などに分かれる。またM&Aをビジネスとする金融機関はファイナンシャル・アドバイザー(FA)と呼ばれるが、個々の役割はディールによってその関与度合いも異なっている。

そのFAにとって、最も重要視するのはリーグテーブルと呼ばれるものだが、M&Aの対象企業の時価総額で順位付けられる。これはTOBに関与した場合も、単に合併比率を算定した場合も、同じ様に対象企業の時価総額を合算して、金融機関がM&Aアドバイザーとしての順位を競うのだが、時価総額数十億円でも受け取る手数料が数億円の買収案件もあれば、3日に公表された新日鉄と住金の経営統合の様(時価総額3兆円)に当事者間で相当話が進展していて、後は統合比率の算定だけで数千万の手数料に留まるケースもある。あくまでも業界慣行なのだが、M&Aビジネスの収益性からみると余り意味のない場合が多い。

では何故M&Aアドバーザー達はリーグテーブルに拘るのか。それは一つのビジネスの収益性より次の様なビジネスの波及効果を狙っていると見られる。
○買収案件には、当然買収資金が必要なので、大型の案件に関与していれば、大型のファイナンスに関与できる可能性が高い。
○業界に影響するようなM&Aは、次なる業界内のM&Aを呼ぶ可能性が高い。
○M&A後の対応や、対象事業の再構築にアドバイザーとして持続的に関与できる可能性もあり、企業との長期的な関係を構築しやすい。
これらはM&AのFAという機能を果たすことで、企業から出来るだけ多くの情報とニーズを得ようとすることになる。

一方、M&Aビジネスにおいて金融機関が最大限の注意と責任を果たさなければならないことは、次の2つである。
●情報管理の徹底=M&Aは長期間インサーダー情報を抱えるので、FAは企業との間で守秘義務契約を結ぶが、FAが証券会社の場合、この情報は法人関係情報として社内の管理部門で登録され、自己売買や銘柄勧誘行為は制限される。しかし、情報の管理上難しいのは、このM&A関連情報がいつ登録され、それはどの位の可能性があり、そして社内の誰が同程度まで知っているか、管理しなければならない事だ。また、M&Aは進展するに伴い関係者が増加してくるが、その関係者も含めた全体の情報管理をどうするかということも、ディールを成功させる為には、全くの企業任せには出来ない。 
●利益相反行為への対応=主な利益相反は次の様なものがある。
・FAは、両方の立場に立って仲介することは出来ない。つまり、買い手と売り手は当然利益相反するので、どちらかの立場で助言する。
・自らが株主や資金の貸し手でいる場合、利益相反することもあるので、企業側にその可能性を伝えなければならない。
・もし競争相手のM&Aに別途関与している場合、アドバイザーとしての役割は果たせない。

結論を言うと、大きな組織ほど、情報管理と利益相反対応は難しい。
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ジャンル : ビジネス

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