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2017/11
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個人投資家の情報共有=掲示板から株SNSへ
 そもそも孤独な判断が必要な投資活動に、投資家同士の情報共有の意味があるのかと優秀な証券マンなら思うかも知れない。しかし、他の投資家がどう考えているかは、時として重要な投資判断材料になることもある。それが一個人の考えであっても、個人投資家層の行動のトレンドを示すものであれば、なおさらだ。その個人投資家同士が情報を共有するシステムとして、早くから情報ベンダーが提供する掲示版が使われている。少し前の調査になるが、総務省が2006年に実施した“ネットワークと国民生活に関する調査”によると、日本人のネット利用者の45%が何らかの掲示版を利用していて、この割合は米国の3倍(米国ではチャットの利用が48%と日本の23%に比べて高い)になる。
ただ投資関連の掲示板に対する個人的思い出は少し複雑なものがある。証券マンとして上場企業のM&Aやファイナンスに携わっていた時、対象になる企業の掲示板をある時期入念にチェックせざるを得なかった。理由は、レピュテーションと情報漏えいのチェックだ。また、掲示板の内容に関しては、何らかの情報を得ようと閲覧してみても、時として感情と非難が渦巻く時があって、少し距離を置きたいと感じることもあった。

 時代は変わったのかも知れない。株式関連の掲示板の膨大な情報の中から、個人投資家のもつ投資関連情報を選択するツールとして投資関連のSNS(株SNS)は有効だ。2007年4月に開設された代表的な株SNS“みんなの株式”の仕組みは次の様なものだ。
・SNSである以上、会員として実名で登録するが、意見表明やポイント数(後述)などはハンドルネームで公表される。累積会員数は現在24万人台の模様。
・基本構造は、会員によって予想される対象銘柄の買いか売りかの予想を、その時点の時価でパフォーマンス評価してポイント化し会員に付与する
・売り買い予想のパフォーマンス評価は、その効果を計る予想の平均ポイント(収益性)、適格な予想をどの位積み上げたか計る合計ポイントが会員以外にも公表され、一般の投資家が銘柄選択の際の参考に出来る。
・また会員が保有している銘柄を申告して、そのパフォーマンスを計るポートフォリオ評価もポイント化される。
・それ以外には、会員予想がどの位ホームページ上でアクセスされたかもポイント化される。
・SNSらしいのは、会員間のリスペクト制度があって、他の会員からリスペクトが選択されれば、これもポイント化される。
・以上のポイントは項目別及び合計がランキングされ、一般に公表される。なお、同サイトは投資に関するコンテンツのネットショップ事業も行っていて、付与されたポイントは将来このショップで利用できる可能性もある。
この株SNSを既存のネット証券(カブコムやマネックス)も個人投資家への情報提供として利用し始めている。

ネットでの情報取得は、自らが必要とするものに辿りつくまで情報の海を渡らなければならないが、売り買い予想と言う形で個人投資家が持つ情報やニーズを単純化させ、ランキング化して見せることで一般投資家の情報検索を容易にしたシステムと言える。ただ、株SNSはネット時代に更に新しい金融サービスを提供する可能性があるビジネスモデルかもしれないが、但し先頭を走る“みんなの株式”にしても、その内容はまだ試作的なものも多い。それは日本の社会全体が、まだSNSに慣れていないからだろうが、今後のSNS普及に伴い、株SNSも発展と競争と選別がなされるのだろう。
なお、リスペクトというのは人間本来の願望としてあるのだろうから、株SNSが持続的に成長して行く為には、重要なポイントかも知れない。特に日本では。
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