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2017/09
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ディスクロージャーの難しさとIRビジネスへの期待
上場企業のM&Aに係るディスクロージャーは難しい。大規模なファイナンスや業務提携、そして合併や経営統合、更に株式を大規模に買い付けるTOB、何れも投資判断に大きな影響を及ぼすが、これを取引所の適時開示ルールでは、決定した時にディスクローズ(開示)しなければならない。通常は、この決定を組織決定として解し、取締役会決議のタイミングで公表される。しかし、オーナー型や実質的な支配株主が事実上決定してしまえば、これも即時に公表すべきとされている。株主や投資家に対して情報を素早く伝えるという事もあるが、企業としてインサイダー情報を長く抱えないという情報リスク管理の問題もある。M&Aが進展し、時間が経過するほど、関係者が増加し、そのリスクは増大する。それを、避ける為には、先日の新日鉄と住金のように少数の経営者同士でM&Aの大枠を決定してしまって、開示することだが、金融機関やM&Aアドバイザーも公表までは排除されていた。

 一方、24日公表されたCSK(9737)のTOBと合併に関する公表で、改めてM&Aに関する情報開示の難しさを感じた。内容は、再生ファンド(ACAインベストメント)が保有する普通株・優先株・新株予約権・新株予約権付社債(潜在株式を含めてCSKの支配権の64%に相当する株式)を、時価を大きく下回る203円で公開買付し、6月後半の株主総会で住商情報システム(9717)との合併(合併比率住商情報株1に対しCSK株0.24)を決議し、9月下旬の上場廃止後、10月1日に住商情報に吸収合併されるというものだ。直前の住商情報の親会社である住商によるCSK株TOBが、一部マスコミで伝えられ、株価急騰後の公表となり、その後大幅に株価を下げている。市場がTOBをミスリードした形だが、似た様な状況は昨年のパナソニックによる三洋電機のTOBの時にもあった。いずれも対象のなる企業は、当初ファンドが出資、その後再生パートナーによる事業再生が進められ、その後再生パートナー若しくは子会社との統合とういストーリーであった。

 この様な再生案件は、関係者の多大な労力により進められていくが、再生の主体となる大株主とその他の一般株主(支配権に関与しない少数株主)が有る時点から利益相反する。TOB、MBO、合併比率、上場廃止など、株主や投資家の判断に大きく影響する内容を決定する時だが、ディスクロージャーで難しい点は、その時点で既に対象となる企業には決定権がないことだ。ただし上場している以上、企業はディスクロージャーの責任を全うするしかない。

 それでも、一般の上場企業は悩みながらもディスクロージャーを充実させようと、IR(インベスターズ・リレーション)活動を活発化させ、株主や投資家への情報発信に力を入れている。そんな企業のIRをサポートする企業が、3月18日にジャスダックに上場を予定している。アイ・アールジャパンという野村系のIRコンサルティングの専業会社だが、証券関連業からは久々の上場となる。業界内でいうと、かつてFX会社やファンド組成会社の公開が多かった時から5~6年経過するが、今の日本の資本市場に必要なのは、企業が株主や投資家とディスクロージャーを通じて会話していくことだと思えば、この業界内のIRコンサルティング業に期待したい。
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ジャンル : ビジネス

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